2004 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化室素合成酵素遺伝子変異を有する冠攣縮性狭心症に対するスタチンの有効性
Project/Area Number |
16590698
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 雅文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30346986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 久雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50177135)
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Keywords | 冠攣縮性狭心症 / 一酸化窒素合成酵素 / 遺伝子変異 / スタチン / Replication Protein A1 / マイクロアレイ / レポーター遺伝子解析 |
Research Abstract |
我々は冠攣縮の発症要因に冠攣縮血管からの一酸化窒素(NO)の放出が少ないことを見出した。この発見をきっかけに、内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子に着目し、遺伝子変異を検索した。その結果、2つの遺伝子変異Glu298Asp、-786T→C変異を見出した。これにより、冠攣縮の発症要因が分子レベルで始めて理解されるようになり、冠攣縮の発症に遺伝的要因が存在することが始めて明らかとなった。特に-786T→C変異は、その後の研究により単なるマーカーではなく、それ自体が機能異常を引き起こすことが示されている。我々は、-786T→C変異がeNOS遺伝子の転写を抑制しており、そのメカニズムとしてReplication Protein A1という蛋白質が転写抑制因子として働いていることを見出した。一方、HMGCoA還元酵素阻害薬(スタチン)は、血中コレステロールの減少を目的に開発された薬剤であるが、近年、内皮機能改善効果、抗酸化効果、血管平滑筋増殖抑制効果、血小板凝集抑制効果などの多面的効果が報告されている。また、現在の欧米化しつつある日本人の栄養状況の中、増加している高コレステロール血症に対する治療薬としてその需要は飛躍的に伸びている。 今回我々は、フルバスタチンによる内皮保護効果のメカニズムを明らかにするために、フルバスタチン添加と非添加の培養ヒト冠動脈内皮細胞における遺伝子発現についてDNAチップを用いたマイクロアレイのシステムを用いて解析を行った。その結果、12,000遺伝子の中で、最もスタチンにより、遺伝子発現が低下した分子がReplication Protein A1 (RPA1)であった。引きつづき、Real-Time PCRを用いた定量的評価をしたところ、実際にeNOS遺伝子発現はスタチンによって有意に上昇し、RPA1遺伝子発現は有意に低下していた。レポーター遺伝子解析の結果フルバスタチンは-786T→C変異を有していないコンストラクトでもeNOS転写活性を上昇させるが、変異を有しているコンストラクトではより以上に転写活性を亢進させることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)