2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入したヒト末梢血前駆細胞移植による心筋梗塞治療
Project/Area Number |
16590709
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
秋岡 要 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90167833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭山 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30240956)
大村 崇 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70295707)
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Keywords | 心筋梗塞 / 心臓リモデリング / 細胞治療 / 増殖因子 / シグナル伝達 / 転写因子 |
Research Abstract |
MAPKが炎症のシグナルに関係し、心不全の病態に炎症が深く関与することが示唆されていることより、アデノウィルスベクターを用いて新生児ラット心筋細胞にdominant negative mutantやwild-typeのapoptosis signaling kinase (ASK1)、MAPKを過剰発現させ、アンジオテンシンIIで刺激しmonocyte chemoattractant protein-1 (MCP1)やplasminogen activator inhibitor-1 (PAI1)の発現をみた。ASK1はアンジオテンシンIIによるMCP1、PAI1発現を抑制し、MCP1はp38MAPKを介し、PAI1はJNKを介する経路であることが判明した。肥大、増殖、ストレスに関与するJNK、p38MAPK、AP-1は一部アンジオテンシン系を介し心筋梗塞後心臓リモデリングに関与している可能性が示唆された。また、ラット骨髄単核球分画よりmesenchymal stem cellを培養しVEGFを遺伝子導入した細胞を同種のラット心筋梗塞に移植し心臓リモデリングの抑制効果を検討した。VEGFの遺伝子導入はmesenchymal stem cell移植の効果を増強し、梗塞巣の縮小、リモデリングの抑制が得られた。さらに、ラット下肢虚血モデルにおいてマイクロバブルのエコーコントラスト剤であるOptisonは血管新生を促進させ、骨髄細胞移植治療効果も増強した。ヒト末梢血単核細胞培養では、糖尿病において内皮前駆細胞、平滑筋前駆細胞数は減少し、治療により増加がみられた。スタチンは培養系において平滑筋前駆細胞を減少させ、内皮前駆細胞を増やす働きがある。この作用にVEGFが関与していると思われる。
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