2005 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧性心不全における細胞内情報伝達系の役割と心不全治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
16590712
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
松岡 博昭 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20111544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 直彦 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90254945)
石光 俊彦 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80232346)
錦見 俊雄 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80291946)
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Keywords | Dahl食塩感受性ラット / 高血圧性心疾患 / 心肥大 / 心不全 / quinapril / eplerenone / 酸化ストレス / eNOS |
Research Abstract |
高血圧性心疾患モデルであるDahl食塩感受性心肥大ラットと心不全ラットにACE阻害薬およびアルドステロン拮抗薬を投与して諸機能の改善ならびに細胞内情報伝達系の変化を検討した。 1)Dahlラット心肥大モデルを用いてACE阻害薬quinaprilおよびbradykinin B2受容体拮抗薬FR172357を5週間投与し検討した。微小冠血管リモデリングは心肥大期で障害され、quinaprilで改善し、quinaprilにFR172357を併用投与すると改善はみられなかった。eNOS発現は心肥大期で抑制され、quinapril投与により発現が増強し、quinaprilにFR172357を併用投与すると発現は低下した。同モデルにNADPH oxidase阻害薬apocyninを単独投与するとquinaprilと同程度の心保護効果とeNOS発現を認め、quinaprilとapocyninを併用投与するとリモデリングはcontrolレベルまで改善し、eNOS発現はquinapril単独投与に比べ有意に増加した。以上よりquinaprilの心保護効果はbradykininを介したeNOS産生や酸化ストレスの抑制を介した可能性が示唆された。 2)Dahlラット心不全モデルを用いて選択的アルドステロン受容体拮抗薬のeplerenoneを7週間投与すると、心機能障害や血管リモデリングは用量依存性に改善し、またSERCA2発現の回復やtype I collagen、TGF-β1発現の抑制を示した。これらの機序として、Akt/PKBを介したeNOSの活性化や、酸化ストレスから転写因子NF-κBを介したiNos発現の抑制、さらにPKC/Src/ERK/p70S6K経路を抑制した細胞内情報伝達系などが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)