2004 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙COPDの肺胞マクロファージにおける転写因子MafBの役割の探究
Project/Area Number |
16590733
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 助手 (60333978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 誠 山形大学, 医学部, 講師 (00280892)
高畠 典明 山形大学, 医学部, 助手 (80344795)
|
Keywords | 肺胞マクロファージ / 転写因子 / MafB / 喫煙 / 肺気腫 |
Research Abstract |
肺気腫は肺胞壁の破壊および肺胞マクロファージ数の増加を病理的特徴し、その9割は喫煙が原因であると考えられている。近年の研究において、喫煙により活性化された肺胞マクロファージから放出される蛋白分解酵素matrix metalloproteases(MMPs)やoxidant stressにより、肺胞壁が破壊されていくことがその病態の進展に重要であることが理解されてきている。一方、MafBはマクロファージの機能を調節する転写因子として知られているが、その肺気腫の病態にどのように関与するかは検討されていなかった。そこで我々はそのことを検討するために、マウスヘ6ヶ月にわたる喫煙負荷を施し肺気腫をマウスを作製し、回収した肺胞マクロファージよりMafBの発現を解析した。喫煙負荷マウス肺胞マクロファージでは転写因子MafBの発現はRNAおよび蛋白レベルにて有為に亢進しており、肺胞マクロファージの核蛋白中ではその転写活性が亢進していた。さらに我々はたばこ煙成分のなかでも酸化脂質の終末産物である4-ハイドロキシ2-ノネナールがMafBの発現を誘導することを見出した。現在マクロファージ細胞株にプラスミドベクターを用いてMafB強制発現細胞株とMafB siRNA発現細胞株を作製することに成功した。現在この2つの細胞株とコントロール細胞にて遺伝子発現の差をDNAマイクロアレイにて検討中であるが、肺気腫の形成に関与する重要な蛋白分解酵素MMP-12の発現はMafBにて著明に抑制されることが理解された。またMafBはアポトーシスに関与する代表的な分子(カスパーゼなど)の発現も調節している可能性が示された。
|