2004 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群における遺伝的素因、炎症・間歇的低酸素と心血管系合併症
Project/Area Number |
16590735
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 靖紀 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60343092)
黒須 克志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20291106)
田辺 信宏 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (40292700)
滝口 裕一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30272321)
栗山 喬之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 低酸素血症 / 内蔵肥満 / レプチン / 肥満 |
Research Abstract |
閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)の病態的特徴は、繰り返す低酸素血症である。肥満と内臓脂肪(VFA)は、OSAHS発症の危険因子である。脂肪組織由来のレプチンは肥満の程度(BMI)の増加に伴い増える。また実験的には、間歇的低酸素はレプチン産生を刺激する。 肥満のない(BMI【less than or equal】27) OSAHS症例において、睡眠中の低酸素血症は血中のレプチンレベルに影響するのか、内臓脂肪・皮下脂肪の分布は血中のレプチンレベルに影響するのかどうかを検討した。 96名のOSAHS群と、BMIをそろえた52名のnon-OSAHS群において、内臓脂肪(VFA)・皮下脂肪(SFA)をCTスキャンで評価し、血中のレプチンを測定した。BMIをそろえるために、BMI【less than or equal】27のOSAHS症例を選択した。 全体として、レプチンは、BMI (r=0.30)、VFA (r=0.44)、SFA (r=0.28)、AHI (r=0.48)、睡眠中の平均SpO_2値(r=0.59)、睡眠中の最低SpO_2値(r=0.37)と相関が見られた。重回帰分析の結果、睡眠中の平均SpO_2値(P<0.01)、睡眠中の最低SpO_2値(P=0.03)は、血中レプチンの説明要因であったが、AHI、BMI、VFA、SFAは説明要因とはなり得なかった。 肥満のないOSAHS患者においては、脂肪分布は血中レプチン値の上昇に関与しうるが、睡眠時の低酸素血症は血中レプチンの規定要因としてより重要であることが示唆された。
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