2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群における遺伝的素因、炎症・間歇的低酸素と心血管系合併症
Project/Area Number |
16590735
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 靖紀 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60343092)
黒須 克志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20291106)
田辺 信宏 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (40292700)
滝口 裕一 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (30272321)
栗山 喬之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 低酸素血症 / 内臓肥満 / レプチン / 肥満 |
Research Abstract |
肥満と内臓脂肪は、閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)発症の危険因子であり、OSAHSの一部は低換気を呈している。脂肪組織由来のレプチンは肥満の程度(BMI)の増加に伴い増える。実験的には、レプチンは内臓脂肪を選択的に減少させ、また呼吸刺激作用がある。 内臓脂肪・皮下脂肪の分布が低換気と関係するのか、レプチンはOSAHSの一部に見られる低換気の病態に関与しうるのかどうかを検討した。 106名の炭酸ガス分圧が正常の群と、79名の高炭酸ガス血症を呈した群において、内臓脂肪(VFA)・皮下脂肪(SFA)をCTスキャンで評価し、血中のレプチンを測定した。 全体として、レプチンは、BMI(r=0.56)、VFA(r=0.24)、SFA(r=0.47)と相関が見られたが、PaO_2、睡眠中の平均SpO_2との相関はなかった。BMI、%VC、FEV_<1.0>%、AHI、睡眠中の平均SpO_2、VFA、SFAは両群間において有意差は見られなかった。血中のレプチンは、高炭酸ガス血症群において高値を呈していた。ロジスティック解析において、血中のレプチンは、唯一、高炭酸ガス血症の存在の予測因子であった(b=0.21,P<0.01)。 内臓脂肪・皮下脂肪の分布は低換気の病態とは直接の関係はないが、レプチンの存在は、高炭酸ガス血症群における低換気の病態と関係している可能性が示唆された。
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