2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・プロテオーム解析による新規肺癌関連因子の同定と癌病態機構の解明
Project/Area Number |
16590738
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小山 信之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30353460)
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Keywords | IGFBP-6 / SEMA3B / β-catenin / siRNA / flow cytometry / 細胞増殖抑制 / NCI-H1299 / microarray |
Research Abstract |
Semaphorin 3B(以下SEMA3B)はNeuropilin receptor(以下NPR)とVascular endothelial growth factor receptor(以下VEGF)と競合的に結合してVFGFシグナル伝達系を介した血管新生、細胞増殖を抑制することが報告されている。しかしSEMA3Bと同様にNRPのligandであるSEMA3A、SEMA3C、SEMA3F等他のClass 3 Semaphorinの細胞増殖抑制効果はSEMA3Bとは異なっており、SEMA3BによるNRPを介さない癌抑制機構の存在が考えられた。それゆえNCI-H1299肺癌細胞にSEMA3Bを発現させ、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行い、SEMA3B機能発現の鍵となる候補分子の抽出を試みた。その結果Insulin-like growth factor binding protein-6(以下IGFBP-6)をSEMA3Bによる発現制御を受けている候補遺伝子として抽出した。H1299細胞はSEMA3BによりIGFBP-6発現が誘導され細胞増殖抑制が起きる一方、siRNAを用いたIGFBP-6発現抑制にてsEMA3B発現H1299細胞は増殖機能の回復を呈した。更に免疫組織化学的解析にてβ-cateninの細胞内局在を確認したところ、SEMA3B発現H1299細胞におけるβ-cateninのdelocalizationがみられた。SEMA3F発現MCF-7乳癌細胞においても同様にβ-cateninのdeloeahzationがみられること、β-cateninはIGFBP-6発現を低下させることが報告されており、SEMA3Bはβ-cateninのdelocalizationを介してIGFBP-6発現を誘導し、細胞増殖抑制を起こすと考えられた。
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Research Products
(5 results)