2005 Fiscal Year Annual Research Report
CD8+γδT細胞が遅発型喘息反応と気道炎症を抑制するメカニズムについての研究
Project/Area Number |
16590739
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
磯貝 進 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (70361722)
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Keywords | 気管支喘息 / T細胞 / マクロファージ / interferon gamma / アレルギー / サイトカイン / 肺 |
Research Abstract |
喘息モデルBNラットにCD8^+γδT細胞を移注すると気道炎症と気道応答を抑制するが、IFNγantisense phosphorothioated oligodeoxynucleotideで処理したCD8^+γδT細胞を移注してもそれが抑制されないことを示し、CD8^+γδT細胞の喘息抑制メカニズムにそのIFNγの分泌が重要であることを示してきた。 本年度はCD8^+γδT細胞の分泌するIFNγの気道炎症抑制メカニズムとして、気道に多数存在するマクロファージの関与について検討した。ラットの肺抵抗測定後に得られたBAL中細胞のMBP免疫染色を行い、MBP陽性マクロファージを計数することで、MBP陽性好酸球を貪食したマクロファージを評価したところ、CD8^+γδT細胞の分泌するIFNγが肺胞マクロファージを活性化しMBP陽性マクロファージを増加させることを示した。 マクロファージ培養液中に、蛍光染色された酵母(ZymosanA)とIFNγを加えると、IFNγ濃度依存的にマクロファージ中の酵母の数が増加していた。これはIFNγによりマクロファージの貪食能が上がっていることを示す。 マクロファージはロイコトリエン(気道収縮の主要メディエーター)始めさまざまなケモカイン、サイトカインを分泌し必ずしも喘息に抑制的に働くという報告ばかりではない。そこでマクロファージ培養上清中のロイコトリエン量をEIAで測定したところ、IFNγ濃度依存的にマクロファージの分泌するロイコトリエン量は減少する傾向にあった。 以上よりIFNγは気道のマクロファージを活性化することで気道炎症を抑制している可能性が示され、これはCD8^+γδT細胞の気道炎症抑制メカニズムの1つであると考えられる。これらの結果は現在論文に投稿中である。
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