2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の高頻度染色体欠失領域における新規癌関連遺伝子の同定
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16590744
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関戸 好孝 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00311712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下方 薫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10022906)
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Keywords | 肺癌 / 染色体異常 / ホモザイガス欠失 / 腫瘍抑制遺伝子 / 遺伝子クローニング / 体細胞突然変異 / 発癌機構 |
Research Abstract |
肺癌を含む多くのヒト悪性腫瘍において高頻度の染色体欠失が報告されている染色体8p11領域に関して、肺癌臨床検体80例を用い、マイクロダイセクション法を用いてマイクロサテライトマーカーD8S1150によるLoss of heterozygosity(LOH)検索を行ったところ、LOHは38%(40 informative症例中)に認められた。該当する8p11領域で他の固形がんで腫瘍抑制遺伝子候補遺伝子であると示唆されているSFRP1遺伝子の発現解析を行ったところ、36%の肺癌検体に発現低下が認められた。SFRP1遺伝子の発現ベクターを構築し、非小細胞肺癌細胞株NCl-H460およびH2009に遺伝子導入したところ、コロニー形成の低下が認められた。これらの結果からSFRP1は肺癌において同様に腫瘍抑制遺伝子であることが強く示唆された。 非小細胞肺癌細胞株NCl-H28822における染色体2p23-24のホモザイガス欠失領域を探索し、その欠失領域は約3MBであることを明らかにした。さらに非小細胞肺癌細胞株NCl-H2887における染色体18q11-12におけるホモザイガス欠失領域を同様に探索し、欠失領域は約4.8Mbであることを明らかにした。現在、ホモザイガス欠失領域の両切断点を10kb以下に限定し、その切断点のクローニングを行っている。欠失領域内にある遺伝子は約15個であることを明らかにし、その発現の変化をRT-PCR法で検討している。発現低下の同定された遺伝子に対し、点突然変異等の変異検索およびプロモーター領域のepigeneticな変化の解析を行い、腫瘍抑制遺伝子の候補遺伝子を明らかにする予定である。
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