2005 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌性慢性気道感染症の新しい制御機構Twitching motilityの解析
Project/Area Number |
16590756
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
|
Keywords | 緑膿菌 / Twitching motility / マクロライド系抗菌薬 / 慢性気道感染症 / カルボシステイン / バイオフィルム / Th1系反応 / Th2系反応 |
Research Abstract |
前年度の研究から、緑膿菌Twitching motilityが宿主の免疫反応をTh2系にシフトすることでマウス慢性気道感染症モデルの病原性に深く関連していることを明らかにした。今年度はこのマウスモデルを用いてマクロライド系抗菌薬およびカルボシステインの治療効果を解析した。このモデルにマクロライド系抗菌薬を12週間投与するとマウスの免疫反応はIFN-γ産生が優位となり、すなわちTh1系にシフトし、生存率が上昇した。また、in vitroにおける緑膿菌のTwitching motility能は14、15員環マクロライド系抗菌薬で抑制された。このマウスモデルでの反応はTwitching motility能欠損株Δpi/HIJK感染マウスモデルと同様であり、マクロライド系抗菌薬はTwitching motility能を抑制することで緑膿菌性慢性気道感染症に対して治療効果を発揮していることが明らかとなった。一方、本モデルにおいてカルボシステインを12週間投与すると、気管支内留置プラスチックチューブ上のバイオフィルム量は有意に減少した。In vitroでのチューブ上の緑膿菌バイオフィルム形成もカルボシステイン投与群では有意に抑制され、付着菌数も減少した。電子顕微鏡による観察においても菌体外粘液様物質の減少が確認された。これらのことからカルボシステインもマクロライドに加えて、緑膿菌性慢性気道感染症の治療の1つとなる可能性が考えられた。
|
Research Products
(2 results)