2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウルトラファインカーボンブラックによる気道上皮細胞のリモデリングとムチン発現
Project/Area Number |
16590763
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60147395)
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Keywords | 大気汚染 / カーボンブラック / 気道上皮細胞 / リモデリング / ムチン / 上皮成長因子受容体 / アダプター分子 / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
1.ヒト気道上皮細胞の増殖反応:16-HBE細胞をair-1iquid interface法によりサブコンフルエンスまで培養した時点で,種々の濃度のウルトラファインカーボンブラック(ufCB)粒子浮遊液を添加し72時間培養を行った.その結果,[^3H]-thymidineと[^3H]-leucineの細胞内取り込みは濃度依存的に増加し,ufCBによる細胞増殖およびDNA合成の増加が明らかとなった. 2.MUC蛋白質の発現:上記の実験と同様,16-HBE細胞をufCB粒子に曝露した後,ムチン蛋白質発現を,免疫組織学とWestern blotにより検討した.ufCB粒子刺激により,MUC5Bは影響を受けなかったが,MUC5ACの発現は著明に増加し,また培養液中のMUC5ACの増加も観察された. 3.EGFRの関与:上記1のufCBによる細胞増殖反応およびDNA合成は,AG1478とBIBX1522の存在下で有意に抑制された.また,ufCB刺激は上皮細胞におけるリン酸化EGFR(活性型)の発現を誘導した.したがって,本実験系における細胞内情報伝達として,上皮成長因子受容体(EGFR)およびRas-ERKカスケードの関与が示唆された.
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Research Products
(5 results)