2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590765
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
臼杵 二郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (80318477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10184194)
青山 昭徳 日本医科大学, 医学部, 講師 (60089688)
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Keywords | TGF-β / Smad / 線維芽細胞 / コラーゲン / α-平滑筋アクチン / タンパク導入 |
Research Abstract |
本研究の目的は、TGF-βの主要シグナル系であるSmadタンパクを細胞内へ直接導入することによる線維芽細胞の機能の変化を解析することである。前年度の研究により、いくつかのマウス線維芽細胞の中でTGF-β1刺激下にSmad系、I型コラーゲンが反応を示すMLg細胞を対象とすることとした。また、ヒト肺線維芽細胞株として、胎児由来のHFL-1を対象とした。今年度は、1)Smadタンパク導入の際に観察対象となる候補分子の発現パターンについて、詳細な検討を行った。2)培養線維芽細胞における遺伝子組み換えヒトSmad2タンパク導入の効率を、コントロールタンパクであるβ-galactosidaseと比較観察した。結果は、1)TGF-β刺激下MLg細胞において、従来Smadシグナルの下流にあると考えられる分子のうち、I型コラーゲンとα-平滑筋アクチンの発現パターンが異なっていることを見出した。即ち、I型コラーゲンはSmad2のリン酸化と共に発現が亢進するのに対し、Smadシグナルはα-平滑筋アクチンmRNAやタンパク産生に直接の影響を示さなかった。また、シクロヘキサミドで処理した場合の発現の変化においても、この2分子の間で差がみられた。以上より、MLg細胞においてSmadタンパク導入による線維化への直接の影響をみる対象としては、I型コラーゲンが最も適切であると考えられた。2)MLg細胞およびHFL-1細胞においてSmad2の導入効率を検討する方法として、遺伝子組み換えSmad2にタグとしてついているGSTを標的とした。バックグラウンドのGSTレベルは比較的低く、GSTを導入の目安にすることが可能であると考えられた。現在、細胞内の分布について観察を行っている。今後、Smadリン酸化やI型コラーゲン発現を中心に、Smadタンパク導入の線維芽細胞への作用を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)