2004 Fiscal Year Annual Research Report
経気管支肺生検に基づく特発性間質性肺炎の診断とステロイド治療
Project/Area Number |
16590770
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 憲太朗 福岡大学, 医学部, 助教授 (80158625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久良木 隆繁 福岡大学, 医学部, 助手 (40373146)
白石 素公 福岡大学, 医学部, 助手 (60341426)
清水 健太郎 福岡大学, 医学部, 助手 (40352249)
|
Keywords | 特発性間質性肺炎 / 非特異性間質性肺炎 / 副腎皮質ステロイド / 経気管支肺生検 |
Research Abstract |
1.平成16年11月より平成17年3月末までの間で,科学研究費補助金の研究テーマに直接該当する症例(経気管支肺生検で胞隔炎を証明できたnon-UIPと考えられる症例)は1例である.現在ステロイドに対する反応性は良好であり,胸部X線上の陰影,動脈血ガス分析の結果も改善している.今後関連病院の症例も集積して研究をすすめる必要がある. 2.外科的肺生検で確定診断した線維化型非特異性間質性肺炎といわゆるdiscordant UIPの予後調査も並行して行っている. 3.線維化型非特異性間質性肺炎は特発性肺線維症の前段階なのか,特発性肺線維症とは別の疾患なのか議論のあるところである.我々は約6年の経過で死亡した非特異性間質性肺炎症例を剖検する機会を得た.剖検所見によれば,1)肺の線維化はびまん性に分布しており,特発性肺線維症に見られるような散在性の病変分布ではなかった.2)外科的肺生検時と比べて線維化病変におけるリンパ球などの細胞成分はすくなく,膠原線維の形成は増加していたが,線維化の時相はほぼ一様であった.3)既存の肺構築の破壊は特発性肺線維症ほどではなく,肉眼的な蜂窩肺は見らなかった.これらの所見は本症例が非特異性間質性肺炎としての病理組織学的特徴を保持していることを示すものである.すなわち線維化型非特異性間質性肺炎は特発性肺線維症とは別の概念でとらえるべきものであるという事を支持する所見であった.これらの結果は日本呼吸器学会雑誌に投稿し,受理され,近く論文として公表される予定である.
|
Research Products
(3 results)