2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓形成必須遺伝子Sall1の腎臓糸球体における機能解析
Project/Area Number |
16590777
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
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Keywords | Sall1 / 腎臓 / podocyte / ノックアウトマウス / 糸球体 |
Research Abstract |
Sall (spalt)はショウジョウバエからヒトまで保存されたZincフィンガー蛋白である。我々はカエルの試験管内腎臓誘導系からSall1を単離し、さらにSall1のノックアウトマウスが腎臓を完全に欠損すること、その異常は後腎発生の極めて初期の段階で生じることを見いだした。この研究の過程でSall1は後腎間葉だけでなく、それから派生する糸球体のpodocyteにも強い発現が認められることを見いだした。podocyteは糸球体血管壁の基底膜上に無数の足突起を形成し、それが糸球体において血液から尿がろ過される際、分子篩いとして働くことが最近判明し、注目されている。本研究ではpodocyte特異的なSall1ノックアウトマウスを作成することによって、podocyteの分化における分子機構を明らかにすることを目的とする。具体的には、Sall1のexon 1をはさむようにlox P siteを導入したES細胞を作成し、キメラマウスを経てヘテロマウスを作成した(Floxマウス)。これがホモの状態で健康であること、全身でCreを発現するマウスとの交配によってlox P siteの組み替えがおこりexon 1が欠失すること、さらにこの状態でホモにしたときにはSall1を欠失し腎臓を欠損することを確認した。このFloxマウスとpodocyte特異的にCreを発現するマウス(nephrinあるいはpodocin promoter Cre)との交配を行なった。現在これが完成し、症状の検討を開始している。
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