2005 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体障害の発症・進展におけるGSK-3依存性転写因子活性調節の役割の検討
Project/Area Number |
16590791
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井上 武明 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90322312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 公夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40114772)
野々口 博史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30218341)
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Keywords | glycogen synthase kinase-3 / メサンギウム細胞 / 糸球体上皮細胞 / 尿細管細胞 / ストレプトゾトシン / 糖尿病ラット |
Research Abstract |
glycogen synthase kinase-3(GSK-3)は、glycogen synthaseをリン酸化しグリコーゲン産生を活性化する因子として発見されたが、その後、転写因子活性や蛋白合成の調節、細胞内骨格のremodelingなどの様々な細胞機能に重要な役割を演じていることが明らかになった。 本研究はGSK-3の糸球体障害の発症・進展に演じる役割を明らかにし、GSK-3の特異的抑制薬の治療への応用を検討することにある。 腎臓内におけるGSK-3の局在を検討したところ,微小単離法によって得られたラット腎臓糸球体を初めとする各ネフロンセグメントを用いたRT-PCR法によって,糸球体および尿細管に広く存在していることを確認した。また,GSK-3βに対する特異的な抗体を用いたwestern blotting法にて腎臓にもGSK-3β蛋白が存在し,免疫組織化学的検討により糸球体にも発現が認められた。上皮細胞やメサンギウム細胞のマーカーとなる蛋白に対する抗体を用いた二重染色により,糸球体では特に上皮細胞に存在することが確認された。Ser-9がリン酸化された不活性なGSK-3βを特異的に認識する抗体を用いた検討では,活性型のGSK-3βと同じ細胞に存在することが明らかとなり,GSK-3βの活性調節が細胞機能に何らかの作用をおよぼしていることが示唆された。 ストレプトゾトシンを用いたI型糖尿病ラットモデルを用いた検討では、糖尿病発症1週後の時点で糖尿病ラットではコントロールに比べてGSK-3mRNAおよび蛋白の有意な増加を認めた。一方不活性なGSK-3蛋白の増加は認められなかったことから、活性型のGSK-3が糖尿病ラットの糸球体で増加していることが明らかになった。この増加は3週後にも認められており、糖尿病性腎症の発症・進展に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)