2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウログアニリンのネフローゼ症候群におけるNa・水代謝調節因子としての重要性の検討
Project/Area Number |
16590793
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
藤元 昭一 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80173467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
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Keywords | ネフローゼ症候群 / ウログアニリン / ナトリウム利尿 / ナトリウム貯留 / 利尿因子 |
Research Abstract |
【動物実験】 ナトリウム・水貯留を呈するネフローゼ症候群における、ナトリウム・水代謝調節因子としてのウログアニリンの効果を、ラット実験腎炎モデルを用いて検討した。SDラットにpuromycin aminonucleoside(PAN)を投与し、ネフローゼ症候群のモデルを作成した。体内のナトリウム貯留が増加するPAN投与後5、6日目にラット頚静脈にカテーテルを挿入し、ウログアニリンを静注した。同時に膀胱留置カテーテルより採尿を開始し、経時的なナトリウム、水、ウログアニリン排泄を測定した。その結果、対照液を投与したコントロール群と比較して、ウログアニリン静注により尿量の増加を認めた。しかしナトリウム排泄量には有意な差は認められなかった。その他、同じPAN投与によるネフローゼラットに、浸透圧ミニポンプを用いて、ネフローゼのナトリウム貯留期に、腹腔内にウログアニリンを3日間持続投与した。その結果、対照液を同様に腹腔内に投与したコントロール群(N=6)と比較して、ウログアニリン投与群(N=8)では有意に尿中ナトリウム排泄量が増加した(PAN投与後5日目尿Na排泄1.39±0.32mEq/day vs.6.86±1.55mEq/day,p<0.05)。以上より、ウログアニリンはネフローゼ症候群において、ナトリウム排泄作用を増加させ、ナトリウム貯留を減少させうる働きを持っていることが示唆された。
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