2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソーム活性制御によるドーパミンニューロン保護の分子機構
Project/Area Number |
16590823
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤田 秀幸 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335260)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
|
Keywords | パーキンソン病 / プロテアソーム / ドーパミン / 神経細胞死 / α-シヌクレイン |
Research Abstract |
プロテアソームを抑制した場合の神経保護作用の機序についてはラットドーパミンニューロンの初代培養で、プロテアソーム阻害とアルファシヌクレインの凝集への影響についてはSH-SY5Y細胞を用いて研究を進めた。まず、プロテアソーム活性抑制による神経保護機構について主として分子シャペロンに重点を置き検討した。その結果、プロテアソーム活性抑制が著しい場合には小胞体ストレスマーカーであるGRP78が増大したが、より低濃度では、GRP78の増大は起こらず、HSP70の著明な増大が見られた。このHSP70の増大は主としてアストログリアで生じることが示された。このHSP70の増大はHSP70の転写因子であるHSF1の阻害薬により抑制され、分化阻害による増大ではなく、転写促進による産生増大によるものであることが示唆された。 これと平行して行ったアルファシヌクレインを過剰発現させたヒトドーパミンニューロブラストーマであるSH-SY5Y細胞での検討からは、SH-SY5Y細胞でもプロテアソーム阻害によりロテノン誘発細胞死が抑制されることと、ミトコンドリア複合体I活性を抑制、あるいはプロテアソーム活性を抑制した場合はアルファシヌクレインの凝集が生じることが示された。現在、ラットドーパミンニューロンにアルファシヌクレインを遺伝子導入し過剰発現させた系において確認を行っている。また、アルファシヌクレインを過剰発現した細胞株と遺伝子導入しなかった細胞株とで、プロテアソーム活性を比較したところ大きな違いはなかった。今後これらの結果をもとに、アルファシヌクレインの凝集状態とドーパミンニューロン死との関係を明らかにしてゆく。
|
Research Products
(4 results)