2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞封入体モデルを用いたパーキンソン病発症機序および治療法の研究
Project/Area Number |
16590828
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中島 健二 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 教授 (70144673)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経変性 / レビー小体 / 神経細胞内封入体 / p62 / A170 / ユビキチン / プロテアソーム / ドパミン |
Research Abstract |
<パーキンソン病脳Lewy小体および実験的細胞内封入体モデルにおけるp62の関与Brain Res.2004> Lewy小体(LB)の構成成分や,封入体形成過程の解析を行う事は,パーキンソン病(PD)の発症メカニズムを解明する上で有用な戦略である.我々は,MG132処理PC12細胞による実験的封入体モデルを用い,p62および他の関連分子の,封入体形成過程への関与を検討した.p62はPD脳におけるLBおよび実験的細胞内封入体の構成成分として認められ,ユビキチンと結合していた.プロテアソーム阻害下でのp62増加は転写レベルでの発現量増加によるものであり,転写抑制剤の投与あるいはp62に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドによりp62の増加,封入体形成の両者が抑制された.封入体形成が抑制された細胞は脆弱性を示した.p62は封入体形成に積極的に関わり,細胞死抑制に働く可能性が考えられた. <痴呆を伴う筋萎縮性側索硬化症脳内封入体におけるp62の関与:病理学的検討 Acta Neuropathol.(Berl)2004> 痴呆を伴う筋萎縮性側索硬化症(ALSD)の海馬を中心とする神経細胞内封入体におけるp62の免疫染色陽性率を検討し,生前の臨床病系,他の病理学所見との比較検討を行った. <実験的細胞内封入体モデルにおける凝集体形成促進因子の検討 FEBS Lett.2005> MG132処理PC12細胞による実験的封入体モデル(p62,αシヌクレイン,ユビキチン,チュブリンなどが陽性)を用い,封入体形成促進因子の関与を検討した.その結果,Lドーパ,ドパミンは細胞内凝集を促進する作用があることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)