2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病における脳内Aβクリアランス促進因子の同定と診断・治療への応用
Project/Area Number |
16590829
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences, National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
松原 悦朗 国立長寿医療センター, (研究所)・アルツハイマー病研究部, 室長 (70219468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東海林 幹夫 弘前大学, 医学部, 教授 (60171021)
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20212540)
池田 将樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50222899)
織内 昇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40292586)
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Keywords | アルツハイマー病 / ELISA / Aβオリゴマー / メラトニン / クリアランス |
Research Abstract |
メラトニンの脳内Aβオリゴマークリアランス促進因子としての可能性を検証するため、4ヶ月齢のAPP過剰発現マウス(Tg2576)に11.5ヶ月間メラトニン治療(2mg/ml)を行い、免疫組織化学的脳内アミロイド沈着量と脳Aβモノマーとオリゴマー含有量をELISAにて比較検討した。免疫組織学的にはメラトニン加療で有意なアミロイド沈着量の減少は得られなかったが、メラトニン加療群では可溶性と不溶性両画分の脳Aβ42オリゴマー量が減少し、それに伴い可溶性と不溶性両画分の脳Aβ42モノマーの増加を認めた。さらに、そのAβ42モノマーの頚部リンパ節への排泄増加を伴っていた。9ヶ月齢のAPP過剰発現マウス(Tg2576)に4ヶ月間メラトニン治療(2mg/ml)を行い、水迷路試験にて認知機能を評価すると、メラトニン投与群で有意な改善も得られたことから、今回メラトニン投与マウスで認められた認知機能改善は脳内に沈着しているアミロイド量非依存的で、メラトニンがAβオリゴマーを標的とし、Aβクリアランスに貢献している可能性が考えられた。そのクリアランスは脳に沈着するAβオリゴマーからモノマーへのコンフォメーション変化を惹起することで為される可能性が有力である。本年度の結果は、脳内からのAβクリアランス、特にAβオリゴマーのクリアランス促進薬としてメラトニンが有用であること、さらに直接に脳Aβオリゴマーを標的としたAβオリゴマー抗体治療の整合性を実証した結果と考えられる。
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Research Products
(6 results)