2004 Fiscal Year Annual Research Report
V642I-APP変異ノックインマウス脳によるアルツハイマー病初期発症機序の解明
Project/Area Number |
16590846
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神山 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30296553)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデル動物 / アミロイド前駆体蛋白 / V642I-APP変異 / 差次的発現遺伝子 / ノックインマウス |
Research Abstract |
研究代表者らはV642I-APPヘテロ点変異ノックインマウス(Eur J Neurosci 19:2826)を作出し、29ヶ月齢時に採取した大脳組織を試料として以下の解析を行った。 (1)ディファレンシャル・ディスプレイ法による解析 変異群/対照群それぞれの加齢マウス大脳poly-A RNAプール(各5匹分)より合成した第1鎖cDNAを鋳型とし、再現性に優れる新規ディファレンシャル・ディスプレイ手法(GeneFishing DEG法)による解析を行った。その結果、検出した207種の増幅産物のうち11種について差次的発現傾向が示唆された。遺伝子種を同定したのち、ノーザンプロット解析により定量的比較を行った結果、特に3種について遺伝子型依存的な有意の変化が認められ、そのうち1種については文献的にア病罹患脳での発現変化が報告されているものであった。現在これら差次的発現候補遺伝子について、さらに検討を実施中である。 (2)cDNAサブトラクション法による解析 上記(1)の結果より、加齢マウス脳ではV642I-APP変異によって一定の遺伝子群に発現変化が生じていることが示唆された。そこで、より多数の遺伝子について発現変化を比較する目的で、cDNA representational difference analysis法(Methods Enzymol. 303:325)による検討を開始した。雄雌それぞれの変異群/対照群大脳poly-A RNAプール化試料(各5匹分)を用い、まず変異群において優位に発現している遺伝子を探索した。複数回の独立したサブトラクション解析にて共通して検出されるものを、各群50クローンずつの無作為抽出スクリーニングにより検索したところ、8種の遺伝子が差次的発現候補遺伝子として検出された。現在ノーザンブロット解析およびリアルタイムPCR法による定量的比較に加え、逆方向のサブトラクション解析により変異群で発現が低下する遺伝子群の探索を実施中である。
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Research Products
(1 results)