2005 Fiscal Year Annual Research Report
超軽微低体温(35℃)の神経保護作用のメカニズムの解明-生存シグナル増強作用-
Project/Area Number |
16590851
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
片山 泰朗 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70152692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 達司 日本医科大学, 医学部, 講師 (70233955)
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Keywords | 局所脳虚血 / アポトーシス / 低体温 / ラット / Rho-kinase |
Research Abstract |
ラット一過性局所脳虚血モデルを用い以下の実験を行った。雄性SDラットを用い1.5%ハロセン麻酔下に4-0ナイロン糸を中大脳動脈起始部まで挿入することにより脳虚血を作成し、虚血中の直腸温および頭蓋温度は37.0±0.5℃に維持した。本研究ではRho-kinase inhibitor (Fasudil)の軽微低体温(35℃)への影響を調べた。実験動物は、I : Vehicle群(対照群、n=6)、II : Hypothermia(35℃)群(n=6)、III:脳保護薬(Fasudil)群(n=6)、IV:脳保護薬(Fasudil)+Hypothermia(35℃)群(n=6)の4群に分類した。IおよびIII群は常温群で、体温コントロールは虚血開始時より導入し、虚血中脳温および直腸温を37℃に保った。脳保護薬群はFasudilを用い、対照群には同量のVehicleを投与した。IIおよびIV群は低体温群で、虚血中脳温および直腸温を35℃に維持し、虚血作成直後にHypothermia(35℃)群(II群)ではvehicle、脳保護薬+Hypothermia(35℃)群(IV群)ではFasudil(3mg/kg)を各々投与した。2時間の脳虚血後、ナイロン糸を抜去し再開通を行った。再開通24時間後断頭し、直ちに脳を摘出し、H-E染色を行い、image analyzerを用いて脳梗塞面積を皮質と線条体に分けて脳梗塞体積および脳浮腫体積を算出した。Hypothermia(35℃)群では、常温(37℃)群に比し、皮質・線条体梗塞体積の縮小傾向を認めたもののHypothermia(35℃)単独では有意差を認めなかった。さらに脳保護薬(Fasudil)に低体温(35℃)を併用する群(IV群)では、常温でのFasudil群(III群)に比し、有意に皮質梗塞体積は縮小した(p<0.05)。
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