2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管壁におけるKlotho蛋白の作用機序の解明と新たな血管保護因子同定の試み
Project/Area Number |
16590866
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大山 良雄 群馬大学, 医学部, 助手 (70334117)
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Keywords | Klotho蛋白 / 動脈硬化 / 血管内皮機能 / 腎尿細管 / 血管保護 / 分子生物学 |
Research Abstract |
研究課題「血管壁におけるKlotho蛋白の作用機序の解明と新たな血管保護因子同定の試み」 平成17年度の研究目的は、「腎尿細管に発現する血管保護作用を有する新たな分子の同定」を行うことである。 1、microarrayによる探索。 腎尿細管には血管保護作用があると仮説し、血管傷害を生じているモデル動物の尿細管細胞において特異的に発現が変化している遺伝子群の同定をmicroarrayを用いて試みた。具体的には、ラットの大動脈およびラビットの頚動脈に、バルーンによる内皮傷害を生じさせた。その後、1週間後、2週間後、4週間後に腎臓を摘出し、尿細管細胞を分離し、mRNAを抽出する。内皮傷害のないコントロール群の尿細管細胞からもmRNAを抽出し、microarrayを用いて、血管傷害モデルの尿細管において発現が変化している遺伝子群を同定を試みた。しかしながら、血管傷害モデルの尿細管において発現が明らかに変化している遺伝子を同定することはできなかった。同定ができなかった原因としては、1)今回使用したmicroarrayシステムの検出力がやや弱い可能性があるか、あるいは、その検出力を充分に活かせなかった可能性があること、2)バルーンによる内皮傷害を作製しないコントロール群も、皮膚切開などの侵襲ストレスを与えているために炎症反応が生じて様々な遺伝子が応答を示した可能性があることなどが考えられる。 2、血管傷害モデルの尿細管において発現が変化している遺伝子群の機能解析。 microarrayによる検索において、血管傷害モデルの腎尿細管において発現が変化している遺伝子群を同定することができなかったため、機能解析は未施行である。 以上、腎尿細管に発現する血管保護作用を有する新たな分子の同定を試みたが、本年度の実験系では同定することが困難であった。
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