2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しいリポ蛋白質受容体:アポB48受容体の発現制御と臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
16590870
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
由井 克昌 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (70323714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下門 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30192115)
田中 明 関東学院大学, 人間環境学部・健康栄養学科, 教授 (70171733)
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Keywords | アポB48受容体 / リポ蛋白質 / リンパ球 / 中性脂肪 / 糖尿病 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
アポB48受容体は、単球-マクロファージに発現しているリポ蛋白質の新規受容体である。それはアポ蛋白B48をリガンドとし、中性脂肪に富んだカイロミクロン・レムナントの代謝に関わり、動脈硬化に関連する。この間の研究でわれわれはアポB48受容体が末梢血リンパ球に発現してることを明らかにした。すなわち、ヒトの末梢血単核白血球を、抗ヒトCD14、CD3、そしてCD19抗体抱合磁気ビーズによって分離し、アポB48受容体のmRNA量をリアルタイムPCR法によって測定した。また、抗ヒト・アポB48受容体ポリクローナル抗体を用いてウェスタン・ブロットを行った。この結果、T-およびB-リンパ球とも、単球と同程度にアポB48受容体のmRNAおよび蛋白を発現していることが分かった。また、糖尿病患者と健常者由来の静脈血における本受容体のmRNAの発現量に関しても検討してみた。すなわち、10人の糖尿病患者と23人の健常者由来の空腹時静脈血におけるアポB48受容体のmRNA発現量を検討し、同時に測定した血清のコレステロール、HDL、中性脂肪、血糖値、HbA1cなどと比較検討してみた。その結果、アポB48受容体のmRNAは、空腹時血糖値のみと有意な負の相関を示していた(p<0.05;r=-0.44)。これらのデータから、アポB48受容体がヒト・リンパ球と密接な関連をもっていること、また高血糖など、糖尿病状態でその発現に抑制がかかる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)