2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞の11βHSDタイプ2とインスリン分泌不全の関連
Project/Area Number |
16590874
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宗 友厚 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70242732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 昭彦 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40334924)
諏訪 哲也 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (30362164)
武田 純 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40270855)
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Keywords | 糖尿病 / 11βHSDタイプ2 / CAリピート多型 / 膵β細胞 |
Research Abstract |
グルココルチコイドを不活化する11β水酸化ステロイド脱水素酵素タイプ2(11βHSD2)はミネラロコルチコイド受容体の防御機構として高血圧症における役割が確立されたが、膵β細胞にも存在し、糖尿病等を含めた生活習慣病をリンクする新たな経路として注目される。 日本人では、11βHSD2遺伝子のコード領域に多型は検出されなかったが、第1イントロン内にはCAリピート多型が存在し、CAリピートが長いと発現が低下する。正常者388例・2型糖尿病212例の検討では、リピートの長いアリルの頻度が2型糖尿病に多く、疾患感受性遺伝子の一つである可能性が判明した。また正常者346例の検討では、リピート数と空腹時インスリン値・HOMA-R・HOMA-βが逆相関すること、すなわち正常者では11βHSD2発現が低下するとインスリン分泌も低下する可能性が示され、膵β細胞局所の11βHSD2発現低下が日本人2型糖尿病の特徴であるインスリン分泌不全を生じる可能性も示唆される。 一方、糖尿病モデルGKラットの単離ラ氏島では対照に比し11βHSD2発現は増加していた。またマウス膵β細胞由来MIN6細胞の11βHSD2発現は、高濃度ブドウ糖反応性インスリン分泌株(m9)に比べ非反応性株(m14)で約2倍に増加していた。MIN6両細胞株に11βHSD2を一過性に過剰発現させると、m14ではPPARγとインスリンのmRNA発現量が約20%低下したが、m9ではGLUT2、glucokinase、HNF1α、HNF1β、IPF、Beta2を含め有意な発現変動を認めなかった。現在両細胞株において、siRNAを用いた11βHsD2ノックダウンの影響について検討中であり、インスリン産生・分泌における役割を明らかにしたい。 糖尿病の新たな治療薬として、膵β細胞をターゲットとした組織特異的な11βHSDタイプ2発現調節剤の検索も課題である。
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Research Products
(3 results)