2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管傷害における造血幹細胞のマクロファージ・平滑筋細胞への分化調節機構の解析
Project/Area Number |
16590878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (20252447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 秀典 京都大学, 医学研究科, 講師 (60232021)
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Keywords | 骨髄由来血管前駆細胞 / 単球・マクロファージ / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 血管再構築病変 |
Research Abstract |
申請者らは血管再構築過程における骨髄由来血管前駆細胞の役割を解析する目的で、レシピエントとなる8週齢C57BL/6メスマウスに致死的放射線照射を行い、GFP発現トランスジェニックマウス骨髄細胞を尾静脈より注入した。4週後にFACSにてGFP陽性細胞による骨髄の再構成を確認し、右側大腿動脈に対し実体顕微鏡下でポリエチレン・カフ装着を行い、血管再構築モデルを作成した。さらに、平滑筋細胞ならびにマクロファージへの分化を遮断する目的でPDGFβ受容体、あるいはc-fmsに対する拮抗性遮断抗体を腹腔内投与し、1もしくは2週後に屠殺した。分離した動脈標本に対して単球・マクロファージ、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞に特異的な抗体を用いて免疫組織学的に解析したところ、血管再構築病変に骨髄由来細胞が存在すること、それらがマクロファージ、平滑筋細胞、内皮細胞に分化することを見いだした。さらにマクロファージへの分化誘導を抗c-fms抗体を投与することで遮断すると病巣内の血管平滑筋細胞の細胞数が増えた。一方、平滑筋細胞への分化を抑える目的で抗PDGFβ受容体抗体を投与したところ病巣内のマクロファージ数の著増を認めた。以上の結果から血管再構築過程には、骨髄由来の多機能前駆細胞が関与することと、これらの分化誘導システムが幹細胞において相互に干渉しあう可能性が強く示唆された。今後、高コレステロール血症ならびにメタボリックシンドロームモデルマウスにおける血管再構築の分子機構につき解析を行う計画である。
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Research Products
(5 results)