2004 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体グルコース負荷試験による包括的糖代謝解析
Project/Area Number |
16590893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
長坂 昌一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (00296112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 薫平 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (00207565)
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Keywords | エルゴメーター運動 / 安定同位体 / グルコース負荷試験 / インスリン分泌 / ミニマルモデル / インスリン感受性 / インスリン非依存性糖取り込み |
Research Abstract |
運動習慣のない健常者ボランティア男性6名(年齢23〜34歳)を対象に、安静時、50%または70%VO2maxのエルゴメーター運動30分後に、安定同位体標識グルコース負荷試験を施行した。耐糖能はKg値で評価、急性インスリン分泌(AIR)を測定、またミニマルモデル解析により全身のインスリン感受性指数(SI)を求めた。安定同位体グルコース濃度の減衰は組織への糖取り込みに依存するので、同様にミニマルモデル解析により組織への糖取り込みに特異的なインスリン感受性指数(SI2^*)、インスリン非依存性(グルコース濃度依存性)糖取り込み(SG2^*)を測定した。 成績 安静時、50%運動後、70%運動後のKg値は、それぞれ2.40±0.29、2.98±0.20、3.48±0.30で、運動強度依存性に上昇した。一方AIRには有意の変化を認めなかった。すなわち急性のインスリン感受性増強では、インスリン分泌は低下しない。安静時、50%運動後、70%運動後のSIは、それぞれ4.39±0.47、5.75±0.17、8.15±1.27で、運動強度依存性に上昇した。安静時、50%運動後、70%運動後のSI2^*は、それぞれ9.65±1.48、13.88±1.65、19.31±3.73、一方SG2^*は、それぞれ0.541±0.141、0.710±0.095、1.066±0.079で、いずれも運動強度依存性に上昇した。 結論 一過性運動は強度依存性に耐糖能を亢進させるが、その機序としてインスリン感受性の増強のみならず、インスリン非依存性(グルコース濃度依存性)糖取り込みの増強も重要な役割を果たす。人の筋生検での成績では、AMPK_α2活性はVO2maxの50%以上の運動で強度依存性に上昇すると報告されており、インスリン非依存性糖取り込みの増強に関与していると推察される。
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Research Products
(3 results)