2005 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体グルコース負荷試験による包括的糖代謝解析
Project/Area Number |
16590893
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
長坂 昌一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (00296112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 薫平 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (00207565)
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Keywords | 安定同位体 / グルコース負荷試験 / インスリン分泌 / インスリン感受性 / インスリン非依存性糖取り込み / 耐糖能低下 / 糖尿病 / 空腹時血糖値 |
Research Abstract |
経静脈グルコース負荷試験(FSIGT)の際の血糖値の低下は、インスリン分泌(AIR)、末梢組織(主に骨格筋)への糖取り込みに特異的なインスリン感受性(SI2*)、インスリン非依存性(グルコース濃度依存性)糖取り込み(SG2*)、肝臓のインスリン感受性(HIS)、糖負荷に対する内因性糖放出(EGP)の抑制などにより規定される。75gOGTT正常型32名、IGT/IFG15名、空腹時血糖値126mg/dl未満の2型糖尿病11名を対象に安定同位体標識グルコース負荷試験を施行した成績をまとめ、耐糖能低下のメカニズムを解析した。 成績 AIRは正常型>IGT/IFG>糖尿病の順に低下したが、SI2*、SG2*、HIS、糖負荷に対するEGPの抑制は3群で差を認めなかった。糖負荷に対するEGPの抑制はAIRとは相関を認めず、SG2*と相関を認めた。 FSIGTの耐糖能(Kg値)、対象者の75gOGTT2時間値を規定する因子を多変量解析で求めると、AIRが最も強い規定因子であったが、SI2*も選択され、この両者でKg値の約50%、2時間値の約30%が説明された。同様に空腹時血糖値を規定する因子を求めると、AIR、HIS、SG2*の3者が選択され、約45%が説明された。 結論 耐糖能、糖負荷後の血糖値の維持には、AIRに加えて末梢組織への糖取り込みを促進するインスリン感受性が重要な役割を果たす。AIRが低い者では、インスリン感受性の低下が耐糖能の低下、糖負荷後の血糖値の上昇を起こす可能性がある。一方、空腹時血糖値の維持には、AIRに加えて、肝臓のインスリン感受性、インスリン非依存性糖取り込みが重要であり、負荷後の血糖値とは一部異なったメカニズムで制御されている。
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Research Products
(6 results)