2005 Fiscal Year Annual Research Report
I型糖尿病における膵島抗原GADのT細胞エピトープの検討
Project/Area Number |
16590894
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
島田 朗 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60206167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 寧彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50327508)
大久保 佳昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338031)
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Keywords | 糖尿病 / 免疫学 |
Research Abstract |
慶應義塾大学病院通院中の抗GAD抗体陽性が確認された1型糖尿病患者のうち、HLA DR9を有し、罹病年数が短く(発症3年以内)、GAD65反応性IFNγ産生CD4細胞が検出され、同時に、(1型糖尿病の疾患活動性の指標として有用と考えられる)血清IP-10/CXCL10値(T-helper1タイプの活性化された細胞を局所に誘導する因子)が高値を示した3症例のうち、33才男性(DR9-DQ3)において、ヒトGAD65 (hGAD65)を抗原として、hGAD65T細胞クローンの作成を継続中である。具体的には、ヘパリン採血した静脈血から白血球成分を取り出し、96穴平底プレートに1.5×10^*5細胞/ウェルとなるように蒔き、リコンビアントヒトGAD65 (rhGAD65) 10μg/mlを添加し、7-9日後に6時間rhGAD65でパルスした抗原提示細胞(40Gyの放射線照射を施した末梢血)を添加、さらに7-9日後に増殖のよいウェルを選択し、抗原提示細胞(3×10^*4細胞/ウェル)の存在下0.3細胞/ウェルで限界希釈を行った(rhIL-250-100U/ml添加、96穴丸底プレートを使用)。増殖の認められたウェルを抗原提示細胞存在下で24穴プレートにおいて培養後、hGAD65刺激に対する増殖反応、およびT細胞レセプターを解析してクローナリティーを確認中である。この間、限界希釈での細胞数、IL-2の添加量の調整を工夫しており、かなりの時間をかけた。なお、hGAD65ペプチド(274-286 IAFTSEHSHFSLK, 339-352 TVYGAFDPLLAVAD, 115-127 MNILLQYVVKSFD)に分け、各ペプチドに対する1型糖尿病患者末梢血リンパ球の反応性についても細胞内サイトカイン染色のシステムを用いて検討したが、現在のところは、HLA DR9拘束性のペプチド同定には至っていない。この点については、ナチュラルにプロセスされたGADペプチドの同定を図る必要性があると考え、抗原を取り込んだ抗原提示細胞より(ナチュラルにプロセスされたGADペプチドの)抽出を試みている。
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