2004 Fiscal Year Annual Research Report
β細胞再生医療を目的とした、Notchシグナルによるβ細胞発生分化調節機構の研究
Project/Area Number |
16590904
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細田 公則 京都大学, 医学研究科, 講師 (40271598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40252457)
浜田 義雄 京都大学, 国立基礎生物化学研究所, 講師 (10132739)
益崎 裕章 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291899)
林 達也 京都大学, 人間環境学研究科, 助教授 (00314211)
海老原 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (70362514)
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Keywords | 糖尿病 / 膵臓 / β細胞 / インスリン / Notch / Notch1 / Notch2 / RBP-J |
Research Abstract |
(背景・方法)1型糖尿病の根本治療としての細胞移植のために、培養によりβ細胞を大量に得ることが、社会的な要請になっている。ES細胞からβ細胞の誘導は困難であり、膵組織特異的幹細胞(膵幹細胞)からのβ細胞分化が必要である。そのためには、膵β細胞の発生分化調節機構の解明と、膵幹細胞の同定が必要である。Notchは多くの組織で、その組織特異的幹細胞に発現し、その分化の調節に関与している。既報のNotch系のHes1やRBP-Jの全身性遺伝子欠損マウスで膵の発生異常が認められているが、いずれも出生直後までに致死であり、膵での詳細な検討は行われていない。本研究では、膵でのNotchの意義を解明する目的で、膵でのNotch2の遺伝子発現を検討するとともに、Notch2floxマウスとPdx1Creトランスジェニックマウスを交配して、Pdx1プロモーター特異的Notch2遺伝子欠損マウスを作製し、解析を行った。 (結果)Notch2LacZ knock-inマウスを用いた検討で、Notch2遺伝子発現は膵管細胞に高濃度に認められた。β細胞の前駆細胞の膵幹細胞は膵管に存在することが示唆されており、このことは、Notch2が膵幹細胞の未分化性の維持に関与している可能性を示唆した。しかし、Pdx1プロモーター特異的Notch2遺伝子欠損マウスを作製、解析したが、膵で形態学的に、またβ細胞面積などの検討で、異常は認められなかった。 (結論)膵の発生過程で、Notch2は必須ではないことを示された。膵の発生過程では、Notch2ではなくNotch1が必須である可能性か、または、Notch1とNotch2が互いに代償し合っている可能性が示唆される。現在、膵の発生過程におけるNotch系の意義の解明を目的として、Pdx1プロモーター特異的RBP-J遺伝子欠損マウスを作製し、解析している。
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Research Products
(6 results)