2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成促進治療法の開発に向けた骨粗鬆症治療薬の骨形成促進機序に関する研究
Project/Area Number |
16590906
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
杉本 利嗣 島根大学, 医学部, 教授 (00226458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 和夫 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107955)
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Keywords | 骨形成 / 副甲状腺ホルモン / ビスホスホネート / スタチン / smad-3 / βカテニン / カルシウム感知受容体 / アポトーシス |
Research Abstract |
副甲状腺ホルモン(PTH)のみならず窒素含有bisphosphonate(BP)、スタチン製剤であるpitavastatinが骨芽細胞のsmad3発現上昇とアポトーシス抑制作用を有することを見いだした。我々はこれまでの研究で骨芽細胞アポトーシスの抑制や骨形成におけるsmad3の重要性を証明しており、今回の結よりBPやスタチンの骨形成促進機序にsmad3とこれを介する骨芽細胞のアポトーシス抑制が関与するものと考えている。またSmad3を過剰発現させた骨芽細胞ではβ-カテニン発現が促進すること、内因性Smad3にdominant-negativeに作用することを証明しているsmad3deltaCを過剰発現させた細胞株ではPTHのβ-カテニン発現上昇作用が消失することより、PTH-smad-3系による骨芽細胞アポトーシスの抑制機序におけるWnt-β-カテニン系の関与を明らかにした。さらにAP-1のひとつであるJunDを過剰発現させた骨芽細胞では増殖、分化、石灰化能が亢進するデータを得ており、現在smad3とJunDの相互作用を検討中である。一方、Ca感知受容体(CaSR)作働薬、CaSRアンチセンスベクター導入による内因性CaSR発現低下した骨芽細胞、さらにはdominant negative作用のあることをすでに証明しているCaSRR185変異を含んだベクターを過剰発現させた骨芽細胞の検討などを通じて、骨芽細胞に発現するCaSRが増殖や遊走能のみならず、分化、石灰化能の調節にも重要な役割を担っていることを明らかにした。これは今後Ca感知受容体(CaSR)作働薬を骨形成促進剤として臨床応用への展開を図るうえで、貴重な成績であると考えている。
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Research Products
(6 results)