2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590920
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張替 秀郎 東北大学, 大学病院, 講師 (50302146)
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Keywords | ヘム / 赤血球造血 |
Research Abstract |
【目的】赤血球造血に関わる分化制御機構の詳細は未だ明らかとされていない。我々はこの制御機構の中心となる物質はヘムであると考え、野生型赤血球とヘム欠損赤血球の遺伝子発現プロファイルを比較検討し、ヘム制御下にある赤血球特異的遺伝子群の同定を試みた。【方法】ヘム合成系の初発酵素である赤血球型δアミノレブリン酸合成酵素欠損マウスES細胞と野生型マウスES細胞を、OP9細胞との共培養により分化誘導しヘム欠損赤芽球および野生型赤芽球を得た。これらの遺伝子発現プロファイルをcDNA arrayにて解析し、1)野生型赤芽球により強い発現(3倍以上)、2)赤血球系列特異的に発現(定量RT-PCR法)、3)造血組織に強い発現(Northern blot法、定量RT-PCR法)、4)細胞内ヘム濃度上昇により発現誘導される(定量RT-PCR法)、の条件を満たす候補遺伝子を抽出した。【結果】解析した8737の遺伝子から1)により120遺伝子を抽出。さらに2)により11遺伝子を赤血球系列特異的遺伝子とし、最終的に4遺伝子を候補遺伝子とした。うち3遺伝子は既知の遺伝子で、ミトコンドリアの呼吸に関与するUCP2と細胞分裂に関与するNuSAPおよび転写調節因子CNBPであった。残りの1遺伝子は未知の遺伝子であり、現在解析を進めている。【結語】本解析により同定した4遺伝子の解析を通じ、赤血球特異的形質の発現制御が明らかになると考えられる。
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