2004 Fiscal Year Annual Research Report
トランスレーショナルリサーチにおける血液悪性疾患第一相試験の新規デザイン創出
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16590929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長村 文孝 東京大学, 医科学研究所・研究拠点形成特任教員(特任講師) (90282491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 血液悪性疾患 / 第1相試験 |
Research Abstract |
本年度は血液悪性疾患に対して日米両国で認可されている薬剤に関して承認根拠、添付書内の記載事項の比較、ならびに第1相試験の資料の収集を行い、これらを電子データベース化して比較検討を行った。 データベース化する資料は随時更新し、最終的には平成16年12月31日までに承認もしくは添付書の改訂がなされた薬剤を対象とし、ドラッグデリバリーシステムの採用や補助療法的使用を目的とした薬剤は除外した。この結果、日米両国で承認を得られている薬剤は27品目であったが、前治療の種類や有無を問わず、適応疾患が一致したのは8薬剤のみであった。また、日本のみで承認されている薬剤は21薬剤、米国のみで承認されている薬剤は12薬剤であった。日本のみで承認されている薬剤は既承認薬の同族体である場合が多く、米国のみで承認されている薬剤は4品目が抗体であり、その他新規ペプチドなどトランスレーショナルリサーチに属する薬剤が多くみられた。第1相試験の試験デザインとしても、抗体療法においてはx5、x2の2段階毎に10倍の用量漸増を行う試験デザインが確立しており、新たな治療概念の薬剤に対しても迅速な試験デザインの確立が行われていた。国内試験の問題点としては、添付書に記載されている薬物動態などの薬理学的データは国外試験のデータを採用している薬剤が多くみられ、第1相試験でのエンドポイントとしての実証性に問題があり、また、海外データの外挿化の手法樹立の上で基礎検討事項となるべきデータの貧弱さが明らかとなった。 この作成したデータベースを活用し、日本における問題点を平成16年度は明らかにしたので、平成17年度はこれを第1相試験の試験デザインに応用し、より科学的に妥当なデザインを各トランスレーショナルリサーチの概念別に立案・検証を行い報告する。
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Research Products
(2 results)