2005 Fiscal Year Annual Research Report
特発性血小板減少性紫班病におけるT細胞エピトープの同定と新たな免疫療法の開発
Project/Area Number |
16590942
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
羽藤 高明 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30172943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 教授 (60127917)
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Keywords | 血小板 / 特発性血小板減少性紫斑病 / GPIIb-IIIa / T細胞 / 自己免疫 / インテグリン / エピトープ |
Research Abstract |
ITP患者からGPIIb由来ペプチド(#429-443)を特異的に認識するHLA-DR^*0405拘束性CD4陽性T細胞株を樹立した。このT細胞は血小板を自己樹状細胞に取り込ませて抗原提示させた系においても細胞増殖反応とサイトカイン産生を示したことから、GPIIb#429-443が自己反応性T細胞エピトープとなりうることを証明した。この手法を用いて複数のITP患者からGPIIb反応性T細胞を分離することができた。また、T細胞の抗GPIIb抗体産生に対するヘルパー活性を評価するために必要となる抗GPIIb抗体産生量の測定法として、抗GPIIb-IIIaモノクローナル抗体を用いた高感度ELISA測定系を確立することができた。T細胞のヘルパーおよび細胞傷害活性とエピトープ解析については、私どもがこれまでに行ってきた造血器腫瘍関連抗原特異的細胞傷害性T細胞の解析法を適用することとした。今年度においては、Wilms tumor gene1 product(WT1)に対するCD4陽性T細胞クローンを樹立した。このクローンはWT1蛋白由来ペプチド#337-347を認識し、HLAクラスII抗原DP5拘束性にWT1陽性白血病細胞に対して細胞障害活性を示すことを証明することができた。また、CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞の細胞障害活性を比較するために、パーフォリン遺伝子の発現を比較したところ、CD8陽性T細胞ではパーフォリン遺伝子の恒常的発現がみられるのに対して、CD4陽性T細胞では細胞の活性化依存性に発現していた。これらの成果をふまえてGPIIb反応性T細胞の機能解析を行ったところ、ヘルパー活性を有するCD4陽性T細胞だけでなく、少なくとも一部のITP患者には細胞障害活性を有するGPIIb反応性CD8陽性T細胞が存在することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)