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2005 Fiscal Year Annual Research Report

発作性夜間血色素尿症(PNH)における自己免疫による造血障害発生の分子機序

Research Project

Project/Area Number 16590946
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

川口 辰哉  熊本大学, 医学部附属病院, 助教授 (50244116)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堀川 健太郎  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (40322309)
Keywords発作性夜間血色素尿症 / 造血不全 / ナチュラルキラー細胞 / ストレス蛋白 / GPIアンカー蛋白 / ULBP
Research Abstract

PNH造血不全の分子機序解明には、まず造血障害を引き起こすエフェクターとその標的分子の同定が必要である。エフェクターとしてナチュラルキラー細胞(NK)を用いた場合、GPI蛋白欠損細胞は正常細胞に比しNK感受性が低下するという我々の知見は(Nagakura, Blood 2002)、GPI蛋白がNK活性化の標的になることを強く示唆する。そこで本研究は、NK活性化のリガンドとなる細胞膜GPI蛋白および対応するNKレセプターを同定し、これらの病的意義をPNH患者で検証することを目的とした。昨年度は、このようなNK活性化リガンドとして、ストレス誘導のサイトメガロ蛋白UL-16結合蛋白(ULBP)を同定した。そこで、今年度はULBPの病的意義を検討するため患者サンプルを用いた解析を行なった。まず17例のPNH患者顆粒球のULBP膜発現を解析したところ、59%で陽性であった。ULBPと受容体(NKG2D)を共有するストレス蛋白MICAの発現も同時に検出できた。さらに一部ではCD34陽性骨髄細胞にもこれら分子が検出できた。このようなストレス蛋白(ULBP,MICA)が果たしてNK細胞による造血細胞障害の標的となるか調べるために、患者血球に対する自己のNKG2D陽性リンパ球(NK,CD8^+T)による細胞傷害活性を測定した。予想通り、ストレス蛋白発現顆粒球を持つ患者でのみ細胞傷害活性が検出され、これを持たない患者や健常人では傷害活性は全く検出されなかった。つまりPNH患者では何らかのストレスによりNKG2Dリガンドが造血細胞に発現誘導され、これを認識した自己NKG2D陽性リンパ球が造血細胞を攻撃することが示唆される。以上よりPNHの免疫介在性造血障害にストレス蛋白ULBP,MICAが関与し、これら分子が新たな造血不全の臨床的指標なりうることが示された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Immunoselection by natural killer cells of PIG-A mutant cells missing stress-inducible ULBPs.2006

    • Author(s)
      Nobuyoshi H, Kawaguchi T, Horikawa K, Nagakura S, Mitsuya H, Nakakuma H
    • Journal Title

      Blood 107

      Pages: 1184-1191

  • [Journal Article] 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)診断の進歩と検査2006

    • Author(s)
      川口辰哉, 花岡伸佳
    • Journal Title

      日本検査血液学会雑誌 7巻・1号

      Pages: 139-149

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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