2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヒトポリコーム遺伝子ASXH2による白血病発生の分子機構の解析
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16590956
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
嘉数 直樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20264757)
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Keywords | 白血病 / ポリコーム遺伝子 / ASXH2 / MOZ / t(2;8)(p23;p11) / t(2;12)(p23;p13) |
Research Abstract |
1.小児二次性MDS症例におけるt(2;8)(p23;p11)の解析 キメラ転写産物の検出 t(2;8)症例において,RT-PCR法によりMOZ-ASXH2キメラmRNAは検出されたが,ASXH2-MOZキメラmRNAは検出されなかった.種々のprimerを設定してRT-PCR法を複数回行ったが,やはりASXH2-MOZキメラmRNAは検出されなかった.この結果から,MOZ-ASXH2キメラmRNAが白血病発生の分子機構において病因的な役割を果たしていると考えられた. 2.成人MDS症例におけるt(2;12)(p23;p13)の解析 2p23および12p13転座切断点の同定 FISH法によりt(2;12)の2p23切断点を解析した結果,ヒトBACクローンのRP11-443B20とRP11-88F6の間の約2Mbが欠失し,RPH-443B20よりテロメア側は12p13に転座していることが明らかになった.この異常は転座に付随してみられる切断点近辺の欠失であり,ASXH2遺伝子はこの欠失領域のなかに含まれていることも明らかになった.次に,12p13切断点についてもFISH法による解析を行った結果,その切断点をカバーしているクローンとしてRP11-346G18を同定した.このクローンには,二次性白血病におけるinv(11)(p15q22)の11q22切断点から同定されたDDX10遺伝子のファミリー遺伝子であるDDX12遺伝子が含まれている.本症例における同遺伝子の関与の可能性が示唆された.
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