2004 Fiscal Year Annual Research Report
MYH9異常症における鑑別診断法の確立と白血球封入体形成機構の解明
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16590971
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Research Institution | Clinical research Center, Nagoya National Hospital. |
Principal Investigator |
國島 伸治 名古屋医療センター臨床研究センター, 止血血栓研究部, 室長 (60373495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 英彦 名古屋医療センター, 院長 (20153819)
濱口 元洋 名古屋医療センター臨床研究センター, 部長 (30393177)
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Keywords | May-Hegglin anomaly / MYH9異常症 / NMMHCA / 血小板機能異常症 / 血小板減少症 |
Research Abstract |
我々が独自に確立した抗NMMHCA抗体を用いた免疫染色解析法を用いて、MYH9異常症が疑われる先天性巨大血小板症の末梢血塗抹標本上における顆粒球細胞質内NMMHCA局在様式を解析した。解析した10症例中、6例についてNMMHCA異常局在を認めた。我々は現在までに、顆粒球細胞質内NMMHCA局在様式はMYH9異常と密接な関連性を示す結果を得ているため、これら症例についても推測されるMYH9異常部位に相当する領域の塩基配列を決定したところ、全ての症例にMYH9異常を同定することが出来た。MYH9の構造領域は40のエクソンによってコードされるが、症例ごとに全てのエクソンの塩基配列決定を行うには多大な時間および労力が必要となるため、NMMHCA免疫染色解析から推測される遺伝子異常部位のみを解析することはきわめて利点となる。上記症例の内、2症例についてはギムザ染色標本において顆粒球封入体が観察されなかったが、明瞭なNMMHCA異常局在が認められ、MYH9異常症診断における本解析法の有用性を支持する結果を得ることが出来た(Eur J Haematol 2005および投稿準備中)。また、当初de novo変異による孤発例と考えられたMYH9異常症児の父親に体細胞モザイクを同定した。モザイクは血液細胞の10%という低頻度において認められたため、従来のギムザ染色による血液塗抹標本観察では見逃されており、NMMHCA局在解析がモザイク発見の契機となった(Br J Haematol 2005)。一方、正常な顆粒球NMMHCA局在を示した4症例では、MYH9に責任は無いと考えられる。これら症例について、血小板膜上におけるGPIb/IX発現を解析したところ1症例においてその発現低下を認め、GPIbα遺伝子にヘテロ接合性変異を認めた。本年度に解析した症例は、原因不明の血小板減少症あるいは難治性の特発性血小板減少性紫斑病として経過観察/治療されており、このような症例中ではMYH9異常症およびGPIb/IX異常症(Bernard-Soulier症候群)を一度は疑う必要があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)