2005 Fiscal Year Annual Research Report
家族性地中海熱の原因蛋白Pyrinの炎症における役割と治療薬コルヒチンの影響
Project/Area Number |
16590972
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
徳江 豊 群馬大学, 医学部, 助教授 (80292275)
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Keywords | 家族性地中海熱 / MEFV遺伝子 / Pyrin / IL-1β / コルヒチン |
Research Abstract |
12年間発熱と漿膜炎を繰り返している患者を関連施設で経験し、同意を得て家族性地中海熱の原因遺伝子MEFVの塩基配列をシークエンスした結果,母親にはexon10にM694Iの変異を,本人にはexon2のE148Qおよびexon10にM694Iの変異を認め家族性地中海熱の確定診断に至った。細胞株の樹立のために繰り返し複製開始点を欠失させたSV40ウイルスDNAをpBR322にクローニングしたPlasmid DNAであるpSV40oriを用いてリポフェクチン法にて細胞導入を試みたが、細胞株の樹立が困難であった。そこで変異のないコントロール検体、患者より得られたM694I変異検体およびE148Q+M694I変異検体を用いて以下の検討を行った。 1)IL-1βの検出(ELISA) 各検体から分離した単球を用いて、LPS刺激の有無の条件下で培養し、その上清中のIL-1β濃度をELISA法により測定した。LPSで刺激をしない場合はいずれの検体においても測定感度以下であったが、LPS0.1ng/ml存在下で48時間培養後のIL-1βは、コントロール検体、M694I変異検体、E148Q+M694I変異検体の順に高値の傾向は認められたが、統計的な差はなかった。 2)治療薬コルヒチンの作用の解明 各検体をLPS1μg/ml存在下で、家族性地中海熱の治療薬であるコルヒチンの有無でELISA法によりIL-1β濃度を検討したが、いずれの検体でも差を認めなかった。 3)変異型pyrinのアポトーシスの検討 本年度はこの検討を行うことができなかったため今後の検討課題としたい。
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