2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクターと細胞移入を用いた自己免疫疾患に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
16590980
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼井 崇 京都大学, 医学研究科, 助手 (90362483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西小森 隆太 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359800)
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
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Keywords | レトロウイルス / ヘルパーT細胞 / 制御性T細胞 / IL-10 / TGF-β / 自己免疫疾患 / 関節リマウチ / 細胞移入療法 |
Research Abstract |
【目的】我々はこれまで、活性型TGF-βを産生する遺伝子改変cDNAを発現ベクターに組み込んだプラスミドを経鼻的に粘膜投与することで、人クローン病モデルであるマウスTNBS誘発大腸炎の発症を予防するのみならず強い治療効果を示す事を観察してきた(JEM.2000,2003)。今回我々は関節リウマチに対する疾患特異的な遺伝子治療の可能性を探るため、TGF-βを始めとする免疫制御性遺伝子を導入した抗原特異的T細胞移入によるtypeIIコラーゲン誘発関節炎マウス(CIA)への関節部位特異的な免疫制御法の可能性を解析した。 【方法】レトロウイルスにより免疫制御性遺伝子を、(I);typeIIコラーゲンで免疫したマウス脾臓より調整したCD4 T細胞をポリクローナルな刺激下に導入し、CIA誘発1週間後に一度だけ細胞移入する方法、(II);別途樹立したtypeIIコラーゲン特異的CD4 T細胞株に(I)と同様に遺伝子を導入後CIAマウスに細胞移入する方法でCIAの程度を経時的にスコア化した。 【結果】(I)の方法により、活性型TGF-β遺伝子導入CD4 T細胞は、ほぼ完璧に関節炎の発症を抑制した。また潜在型TGF-βではそのような効果は明らかではなく、活性型TGF-βを用いる有意・有効性が証明された。(II)の方法については現在、各種免疫抑制性遺伝子を導入したtypeIIコラーゲン特異的CD4 T細胞株を樹立した段階であり、今後CIAの様々なフェーズでこれらの細胞を移入し、その生体内での病態修飾効果を解析・報告したい。 【結語】本方法論は技術的・倫理的な問題の解決が必要だが、ヒト関節リウマチにも応用可能と考えている。
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