2005 Fiscal Year Annual Research Report
APRILおよびBAFFの機能解析と自己免疫疾患発症への関与の検討
Project/Area Number |
16590984
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
塚本 浩 九州大学, 大学病院, 助手 (70304772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 孝彦 九州大学, 大学病院, 講師 (90219212)
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Keywords | APRIL / BAFF / BR3 / B細胞 / 全身性エリテマトーデス / 疾患感受性遺伝子 / 遺伝子多型 / TNFファミリー |
Research Abstract |
TNFファミリーに所属する分子であるAPRILおよびBAFFはII型膜蛋白で、この2分子は高い相同性を有している。これら2分子はBCMA,TACIという2つのレセプターを共有し、これらを介してB細胞の分化や増殖に関与していると考えられている。我々はAPRILおよびBAFFの機能解析と自己免疫疾患発症への関与を検討することを研究目的とした。まずAPRILのG67R、N96Sという2つの遺伝子多型を同定し、SLE148名、健常人146名を対象にアレル頻度を比較したところ67Gのアレル頻度がSLEで有意に上昇していた(p=0.0302)。つぎに可溶型APRIL、BAFFをELISAにより測定する系を確立し、可溶型APRILの血中濃度がSLE患者では健常人に比較し、有意に上昇していることを初めて明らかにした。BAFFに関しては特異的レセプターBR3の遺伝子解析を行い、BAFF結合領域であるCystein-rich domain内に新しい遺伝子多型Pro21Arg(P21R)を同定した。膜型BAFFを介した内向きシグナルの解析を行うため、遺伝子工学的にFurin転換酵素認識部位を変異させることにより、Furin転換酵素で切断されない膜型BAFFを作成した。本研究によりSLEにおける新たな疾患感受性遺伝子としてAPRIL遺伝子が同定された。SLE患者において血清APRILおよびBAFFが上昇していることを明らかにし、B細胞刺激を介してSLEの病態形成に関与している可能性が示唆された。BR3における新たな遺伝子多型の同定や膜型BAFFの作成により自己免疫疾患におけるBAFFの役割の解析が可能になった。APRILおよびBAFFが今後自己免疫疾患の特異的治療を行う際のターゲットになる可能性が示された。
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