2004 Fiscal Year Annual Research Report
リウマチ・炎症性疾患における炎症制御蛋白ヘムオキシゲナーゼ-1の役割
Project/Area Number |
16590991
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岳野 光洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50236494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 敦久 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60295483)
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Keywords | heme oxygenase (HO)-1 / 成人発症スティル病 / 血球貪食症候群 / 関節リウマチ / 金剤 / 全身性エリテマトーデス |
Research Abstract |
本研究では、抗炎症作用を持つheme oxygease(HO)-1のリウマチ炎症性疾患における発現とその治療応用について検討しており、以下の知見を見出し、報告している。 1)HO-1はヘム分解酵素であり、フェリチン代謝と密接に関連している。我々は成人発症スティル病、血球貪食症候群において血清HO-1が上昇し、そのレベルが血清フェリチン値と相関し、疾患活動性と並行することを見出した。しかし、高フェリチン血症をきたしても頻回輸血、肝疾患によるでは血清HO-1の上昇は見られなかった。 2)関節リウマチ(RA)病変局所にHO-1が過剰に発現していた。RA由来滑膜細胞株にヘミン、金剤などでHO-1発現を誘導すると、炎症性サイトカインの産生、COX-2の発現が抑制され、siRNAを用いてHO-1発現を阻害すると、炎症反応の促進がみられた。このことはRA病変局所に発現するHO-1が疾患制御に機能している可能性を示唆している。 3)MRL/lprマウスにHO-1誘導剤であるヘミンを継続に投与すると、腎炎の進展が抑えられた。これには抗DNA抗体産生抑制、IFN-γの産生抑制、局所のiNOS発現抑制など複数の機序が関与していると考えられた。 以上のようにHO-1は炎症性疾患の診断ツールとしてできるだけでなく、炎症性リウマチ疾患、自己免疫疾患の治療標的としても有望であることが実験的に検証された。
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Research Products
(11 results)