2006 Fiscal Year Annual Research Report
SLE患者TCRζ鎖mRNA異常に伴うTCRζ鎖発現低下とシグナル伝達異常
Project/Area Number |
16590993
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
津坂 憲政 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00245490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50179610)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / TCRζ鎖 / signla transduction / syndecan / ヘパラン硫酸 |
Research Abstract |
申請者らはこれまで、SLE患者末梢血T細胞(PBT)では、alternative splicingによって生じた短い3'UTRをもつζmRNA(ζmRNA/as-3' UTR)やexon7を欠損したζmRNA(ζmRNA/exon7-)などのζ鎖mRNAスプライス・ヴァリアントが優位に発現されるためにζ鎖発現が低下することを報告してきた。さらに、ζ鎖mRNAスプライス・ヴァリアントが優位に発現された場合には、TCR/CD3複合体発現低下のみならず、シンデカン(Sdc)など他の分子の発現低下あるいは亢進を二次的に惹起させることも報告してきた(J.Immunol.176:2006)。Sdcは、4つのファミリー(Sdc1-4)からなるヘパラン硫酸(HS)プロテオグリカン(HSPG)であるが、本年度申請者らは、SLE患者PBTにおけるこれらSdc分子発現を検討した。各Sdc分子(Sdc1-4)、ζ鎖、HSは、SLE患者11例、健常人8例のPBTを抗原としたWestern blot(WB)法ならびにFACSで検出した。その結果、抗Sdc4抗体を用いたWBでは、12例中10例のSLEPBTで35-と40-kDタンパク発現が低下していたが、健常人PBTでは全例にこれらタンパク発現が認められた。これら10例のSLE患者PBTではζ鎖発現も低下していた。この35-kDタンパクは、吸収試験で抗HS抗体処理後に消失したことから、HS糖鎖修飾をうけたSdc4と考えられた。ζ鎖発現低下に伴うSdc4糖鎖発現異常はSLEの病態を考える上で重要と思われた。
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Research Products
(4 results)