2004 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経ループスの病態形成における抗神経細胞抗体の役割の解析
Project/Area Number |
16590996
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
広畑 俊成 帝京大学, 医学部, 助教授 (90189895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 弘敏 帝京大学, 医学部, 助手 (80338681)
永井 立夫 帝京大学, 医学部, 助手 (60365947)
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Keywords | CNSループス / ループス精神病 / 髄液 / 抗神経細胞抗体 / リボソームP蛋白 / リボソームP0蛋白 / エピトープ |
Research Abstract |
ループス精神病においては、血清中抗リボソームP抗体と髄液中の抗神経細胞抗体の上昇が見られる。一方、抗神経細胞抗体の測定に用いる神経芽細胞腫SK-N-MCの表面にはリボソームP蛋白が発現していることが知られている。これまでの報告では、ループス精神病患者の髄液中には抗リボソームP(C末端22ペプチド)抗体(抗P)の上昇はみられないとされている。我々は、ループス精神病患者の髄液中の抗Pだけでなく抗リボソームPO(38kd蛋白)抗体(抗PO)について検討を行なった。ループス精神病患者49例、Focal型CNSループス患者18例、さらに対照群として非炎症性神経疾患患者24例の髄液中の抗P、抗POをELISA法にて測定した。測定値については、アフィニティー精製したanti-Pを標準にして定量を行い、抗POから抗Pを差し引いた値を、リボソームPO蛋白のC末端22アミノ酸以外のエピトープに対する抗体(抗[PO-P])として算出した。ループス精神病患者においては、Focal型および対照群に比し髄液抗POが有意に上昇していた。ループス精神病患者においては、対照群に比し抗Pの有意な上昇を認めたが、Focal型との間では差がなかった。ループス精神病患者においては、Focal群および対照群に比し、髄液抗[PO-P]が有意に上昇していた。以上の結果より、ループス精神病においては、髄液中の抗リボソームPO抗体の上昇が病態に深く関与するものと考えられた。この抗リボソームPO抗体の認識するエピトープはリボソームPO蛋白の中の、C末端22アミノ酸以外の部分に存在する可能性が考えられる。本抗体の認識するエピトープを同定することがループス精神病の病態解明上重要である。
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Research Products
(6 results)