2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症慢性活動性EBウイルス感染症症候群発症機序の包括的解明
Project/Area Number |
16591004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡野 素彦 北海道大学, 病院, 講師 (50261300)
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Keywords | 重症慢性活動性EBウイルス感染症症候群 / EBV関連抗原 / 免疫学的解析 |
Research Abstract |
平成16年度は、研究代表者らが作成した診断基準(Clin Microbiol Rev,4:129-135,1991)を用い重症慢性活動性EBウイルス感染症症候群(SCAEBV)患者5例(年齢5-15歳、男3例、女2例)を対象とし、対照としたEBV抗体陽性健康人と比較し、以下の結果を得た。1.PCR法を用いた末梢血単核球および組織(主にリンパ節)におけるEBVゲノムの同定では、全例陽性であり、コピー数は著しく増加していた(10^3コピー/μgDNA以上)。2.蛍光抗体法および免疫ブロット法による潜在EBV関連抗原の発現は、5例中4例が、EBV-determined nuclear antigen(EBNA)-1およびlatent membrane protein(LMP)を認め、1例がさらにEBNA-2を認めた。3.RT-PCR法を用いた潜在EBV関連抗原遺伝子の発現も前記2と同様の結果を得た。4.蛍光抗体法および免疫ブロット法ではEBV増殖関連抗原(viral capsid antigen[VCA]およびearly antigen[EA])の発現を認めなかった。5.RT-PCR法においても、EBV関連増殖抗原遺伝子の発現を認めなかった。6.末梢血および組織における、特異な染色体異常は認めなかった。7.自然末梢血単核球培養系では、患者由来細胞において前記抗原発現が、経時的に減少した。8.IL-2添加末梢血単核球培養系では3例で、前記抗原発現の経時的増加を認め、株化した。9.臍帯血単核球との混合培養では、株化は認められず、前記抗原発現の経時的低下を認めた。なお、対照としたEBV抗体陽性健康人では、10例中1例でPCR法により、末梢血単核球にEBVゲノムを認めたが、低いコピー数であった(10^<1.5>コピー/μgDNA)。また、1例で自然末梢血単核球培養、臍帯血単核球との混合培養で株化をみ、潜在EBV関連抗原はEBNA、LMPとも全ての発現が経時的に増加した。なお、主な免疫学的解析では、対照ではいずれもGranzyme B、インターフェロン-ガンマ、IL-12の発現を伴うEBV特異的細胞障害性Tリンパ球(EBV-CTL)およびNK細胞活性を認めたが、対象としたSCAEBV患者では、Granzyme Bの発現は低下し、NK細胞活性も5例中4例で低下をみた。 以上の主な結果を得た。
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Research Products
(8 results)