2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子GATA-2の造血系転写調節領域の解析と造血幹細胞試験管内増幅への応用
Project/Area Number |
16591006
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
諏訪部 徳芳 東北大学, 病院, 助手 (00372300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 邦裕 東北大学, 病院・助手 (20344674)
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Keywords | 細胞・組織 / 造血幹細胞 / 細胞増殖 / 転写調節領域 |
Research Abstract |
1、造血幹細胞増幅用アデノウィルスベクターの構築 初回暴露のみに感染性を限定するためにアデノウィルスのゲノムに欠失を加え,かつ2つに分割したベクターは考案されてより久しいが,2ベクター間で起きなければならない組換えの効率が低いのが致命的な欠点であった,Microbix Biosystems社のAdMaxは,Cre-loxPシステムによる高効率の組換えを応用することでこの欠点を克服したものである.ベクター構築の第一段階としてシャトルプラスミドにGATA-2 cDNAを導入した. 2、GATA-2遺伝子座における造血系調節領域の解析 転写活性化の指標となるリポーター遺伝子としてはGATA-2自身のプロモーター領域にGreen Fluorescent Protein(GFP)を結合したものを用いた.この手法では、GATA-2調節領域の活性化強度は形質導入された細胞内のGFP発現量,すなわち緑色蛍光強度として表されるが,これを全く無染色でフローサイトメーターにより定量することが可能であった.GATA-2造血系転写調節における第1必要領域・約5kb中,転写活性化能がいずれに局在しているかを明らかにすべく様々な欠失変異を作成した.第一段階として約1kbごとに5つの内部欠失変異を作成したところ,中心部のNco I-Spe I間の欠失により大きく活性が減衰することが示された.これとは逆にこのNco I-Spe Iのみを取り出し導入したものには調節領域全長の持つ活性が保持されており、この部に転写活性化の中心が存在していることを見出した.この注目されるNco I-Spe I間は約1kbpであるが,末端から一連の欠失変異を作成しその塩基配列を決定した.既知の転写因子の結合部位を探索したところ,5'端より約450bpにGATA転写因子群とSTATの結合部位が隣接していることが認められた.さらに,Spe-1サイト近傍に造血幹細胞分化へ密接に関わるOct-1,GATA, SCL結合部位が集中しているという注目すべき結果が得られた.
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