2005 Fiscal Year Annual Research Report
外胚葉形成不全免疫不全症候群におけるヒトT細胞発達分化の解析
Project/Area Number |
16591025
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Research Institution | Kyoto University Department of Medicine |
Principal Investigator |
西小森 隆太 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359800)
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Keywords | 外胚葉形成不全免疫不全症候群 / NEMO / IκBα / TAT融合蛋白 |
Research Abstract |
1.外胚葉形成不全免疫不全症候群の日本での症例をさらに蓄積し、計7例の遺伝子解析に携わり、NEMOに異常を認めた6症例、IκBαに異常を認めた1症例を同定した。NEMO異常例において、6例中3例にNEMO flowを用いた迅速診断が可能であった。NEMO異常を認めた症例では、CD40L刺激により誘導される表面マーカー(CD23,CD95,CD54,CD86)の発現増強はいずれ減弱ないし消失していた。 これまで世界で2家系のみ報告されているIκBα異常による症例は、遺伝学的な検討でSNPの可能性は低く、現在疾患との関わりを機能的な評価により検討中である。またNEMO異常症と比較して、最も特徴的とされているメモリーT細胞が著名に減少している点は、これまでの2家系と同様に認められた。 2.骨髄移植が困難であるNEMO異常症の治療目的で、HIVのTATペプチドを融合させたTAT-NEMO蛋白を大腸菌にて作成、NEMO活性の再構築が可能か検討した。まずrat線維芽細胞rat-1のNEMO欠損株N1を用いて、GST-TAT-NEMO発現ベクターを導入、遺伝子発現によりNF-κB活性の回復がみられるのを確認した。続いてGST-TAT-NEMO蛋白を大腸菌にて発現させ、GSTカラムにより精製し、N1細胞と共培養した。コントロール蛋白(GST-TAT-GFP)にくらべ、約3倍強いNF-κB活性化能を示し、TAT-NEMO蛋白によるNEMO欠損細胞の機能回復の可能性が証明された。ただし現時点では、大腸菌由来の蛋白のためLPSの除去が必要であり、またNEMO異常症患者細胞を用いた検討が必要であった。
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Research Products
(3 results)