2005 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリン結合キナーゼ(ILK)の進行性小児腎疾患における役割解明
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16591035
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
香美 祥二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆原 真樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50403689)
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Keywords | ILK / インテグリン / ボウマン嚢上皮細胞 / ポドサイト / メサンギウム細胞 / 半月体 / 糸球体硬化 / 腎不全 |
Research Abstract |
腎不全に至る全ての小児腎疾患には、糸球体メサンギウム細胞(MC)増殖やメサンギウム細胞外基質(ECM)の構築異常、糸球体ポドサイト(Pod)の糸球体基底膜からの剥離(脱接着)、ボウマン嚢上皮細胞(B-Ep)増殖による半月体形成等の細胞生物学的特徴がある。腎炎の進行を左右するこれらの細胞動態におけるインテグリン結合キナーゼ(ILK)の役割を明らかにするために、培養細胞や腎炎モデルを用いて検討した。 1)ECMリモデリング、半月体形成を制御するILKシグナル伝達機構の解析 腎炎進行に関わる細胞反応(ECMリモデリング、B-Ep増殖)におけるILKシグナル経路の役割を培養細胞を用いてした。DN-ILKcDNAを導入したMC、B-Epは、ECM構築能、増殖能が、Mock cDNAを導入した細胞と比較して低下していた。以上より、ILKは腎炎の進行を左右するECMリモデリング、半月体形成を制御する重要なインテグリン関連シグナル分子であることが判明した。 2)ILKシグナル伝達阻害剤投与によるラット進行性腎炎の抑制効果の検討 ラット進行性腎炎モデル(片腎Thy-1腎炎、WKYマスギ腎炎)を用いて、ILKシグナル経路の活性を阻害する抗酸化剤を投与しILKシグナルの生体内での役割を検討した。どちらのモデルも、ILKシグナル活性の低下と共に、腎炎の改善が見られた。以上より、ILKは腎炎の進行を左右するMC増殖、ECMリモデリング、半月体形成を制御する重要なインテグリン関連シグナル分子であることが判明した。今後、ILKの上流と下流にあるシグナル分子を検討し、効果的なILKシグナル経路の阻害法を開発する。
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Research Products
(6 results)