2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィーに対するリポソームを用いたゲンタマイシン治療の開発
Project/Area Number |
16591043
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木村 重美 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60284767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池澤 誠 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60380995)
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Keywords | ジストロフィン / 筋ジストロフィー / ゲンタマイシン / リードスルー / 終止コドン / ハイブリット型リポソーム / mdxマウス / 副作用 |
Research Abstract |
Duchenne理筋ジストロフィー(DMD)の治療を目的にSweeneyらはゲンタマイシンをDMDのモデルマウスであるmdxマウスに投与したところ、ほぼ正常なジストロフィン(dy)が発現していることを報告している。ゲンタマイシンが、mdxマウスが持つdy遺伝子の点突然変異(終止コドン)を翻訳段階で読み飛ばし(リードスルー)、ほぼ正常dyを発現させたためである。一方、点突然変異により終止コドンをが生じたことによりDMDとなった患者はDMD患者の5〜10%と言われいる。dy遺伝子内の点突然変異を見つけるには、dyのcDNAが14kbと長く、多くの時間と複雑なテクニックを必要とする。また、終止コドンの種類によりリードスルーする効率が違うという報告もある。そこでゲンタマイシン治療対象患者をスクリーニングする方法を確立した(論文in press)。 インフォームドコンセントを行い同意を得たDMD患者より線維芽細胞を分離培養し、MyoDを発現させることのできるアデノウイルスベクター(AdMyoD)を感染させた。その後、ゲンタマイシン存在下でマイオチューブに分化誘導し、dy染色とウエスタンブロット解析を行った。今回は点突然変異が既に分かっている患者の線維芽細胞を用いた。 患者1;エクソン48〜50欠損、患者2;C2510T:CGA to TGA(終止コドン)、患者3;G562A:TGG to TGA、患者4;C6491T:CGA to TGA、患者5;C932T:CAA to TAA.、患者6;G2444T:GAA to TAA、患者7:C6107T:CGA to TGA、患者8:C4937T;CGA to TGA、患者9:C6631A;TAC to TAA A、患者10;G4965A:TGG to TAGのジストロフィンの出現を解析した結果、TGAを持つ患者のみdyの発現を認めた。しかし、TGAを持つにもかかわらず、dyの発現を認めないものも存在した。 副作用のためリードスルーするゲンタマシンの投与量を患者に投与出来ない。そのことを解決するため、ハイブリット型リポソームを使用する。来年度はmdxマウスを用いて、実際にゲンタマイシン封入ハイブリット型リポソームを投与し、その副作用の検討と有効性を検討する。
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Research Products
(3 results)