2004 Fiscal Year Annual Research Report
レクチン経路補体活性化に影響を及ぼす因子の検索;易感染性および炎症との関係
Project/Area Number |
16591048
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
寺井 格 北海道医療大学, 医療科学センター, 講師 (40337043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 邦彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 名誉教授 (60091451)
真船 直樹 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70241304)
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Keywords | マンノース結合レクチン / 補体活性化 / レクチン経路 / 免疫不全 / 免疫グロブリンA / IgA腎症 |
Research Abstract |
種々のミエローマのIgA1、IgA2、各種免疫グロブリン、およびヒト血清から精製して得られたIgA、IgG、IgM、ならびにヒト初乳から得られたsIgAとのヒトMBLの結合性を検討した。MBLは、ある特殊なIgA(IgA2m(2) dimer(Kur))と結合性が強いがその他の免疫グロブリンの結合性は低かった。その結合はマンノース、Nアセチルグルコサミンなどの糖により阻害され、その結合は糖鎖を介するものであると考えられた。また、その結合へのカルシウムによる影響を見ると、EDTAの濃度が高くなると結合の解離がみられたことより、C型レクチンであるMBLはIgAの糖鎖とカルシウムイオン依存性に結合していると解釈された。結合性がない、あるいは弱い免疫グロブリンも、シアル酸とガラクトースを除去すると、あるいは酸処理により立体構造が変化すると、マンノースやNアセルグルコサミンなどの糖鎖が露出することにより、MBLとの結合性を増すようになることがわかった。MBLの関与するIgA腎症では特定の糖鎖が露出した特殊なIgAがその発症に関与している可能性が示唆された。同じ血清濃度の各遺伝子型MBLとIgA2m(2) dimer(Kur)との結合を比較検討すると、MBLの野生型(A/A)、変異型ヘテロ(A/B)とのIgAとの結合性はこの順に低くなり、ホモ(B/B)では全く結合が見られなかった。このことより、MBLの変異型ホモ(B/B)はIgA腎症の発症に関与せず、遺伝子変異を有するヒトは本症の発生率が低くなることが推測された。
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