2004 Fiscal Year Annual Research Report
造影剤を使用しない新しいMRI撮像法による複雑心奇形の低侵襲的診断
Project/Area Number |
16591049
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小山 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (80170398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (70210648)
高橋 信 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10337149)
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Keywords | 先天性心疾患 / MR Angiography / 造影剤 |
Research Abstract |
1.はじめに Fast imaging employing steady state acquisition(FIESTA, GE Medical Systems)は、短い繰り返し時間により定常状態を作り、T2/T1比の高い組織のコントラストを強調する方法で、造影剤を用いずに血管を高信号に描出できる。先天性心疾患の診断におけるFIESTAの有用性と限界を検討した。 2.方法 先天性心疾患の35例(年齢:生後2週間〜13歳;中央値8ヵ月)を対象とした。装置はGE製Signa Horizon LX ver.4.2を用い、FIESTAはTR/TE/FA=5.4msec/1.7msec/45°、FOV=24〜32cm、matrix=160×160、2NEXで撮像した。FIESTAと造影剤を用いたfast spoiled gradient recalled acquisition in the steady state(SPGR)とで、上行大動脈、大動脈弓、下行大動脈、鎖骨下動脈、左右肺動脈の血管径を比較した。大動脈弓の分枝形態と大動脈縮窄症・動脈管開存症の診断、肺・体静脈の同定、Blalock-Taussig(B-T)短絡術・Glenn術後の評価が可能か検討した。 3.結果 FIESTAとSPGRによる血管径に高い相関を認めた(相関係数0.70〜0.95)。Bland-Altman法による計測値の差の平均は0.07〜0.22mmであった。FIESTA法は体静脈の描出に優れ、Glenn吻合や左上大静脈遺残の診断が可能であった。しかし、大動脈弓や肺動静脈のmulti-planar reformat画像は境界不鮮明で、動脈の狭窄部やB-T吻合部は信号低下のため評価できなかった。 4.結論 FIESTAは大血管の形態診断や血管径の計測に有用だが、空間分解能の向上と動脈の狭窄部や吻合部の評価が課題である。
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Research Products
(2 results)