2005 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴミエリンの未熟児における脳・神経発達に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
16591054
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30260889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 康裕 順天堂大学, 医学部, 助手 (10420861)
田中 恭子 順天堂大学, 医学部, 助手 (20407282)
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Keywords | スフィンゴミエリン / DHA / 極低出生体重児 / VEP検査 / Fagan発達検査 / グレリン / レプチン / IGF-I |
Research Abstract |
【目的】スフィンゴミエリン(以下SM)の脳・神経発達に及ぼす影響を明らかにし、SMの脳・神経発達に及ぼす作用のメカニズムを神経のmyelination(髄鞘形成)促進およびn-3系多価不飽和脂肪酸代謝の点から検討することを目的に平成16年度に引き続き本年度の研究を実施した。【対象】極低出生体重児16例(男児7例、女児9例、出生体重680g〜1486g、在胎週数25週4日〜34週1日)をSMを強化した未熟児用調整粉乳(SM量が総リン脂質の26%)にて、修正月齢2ヵ月まで哺育した。【方法】血液検査として、赤血球膜脂肪酸組成分析、血漿リン脂質分析、血漿グレリン、レプチンおよびIGF-I濃度の測定をそれぞれ行い、同時に発育評価として身長、体重、頭囲の測定を行った。神経発達評価として、VEP検査およびFagan発達検査を修正月齢3ヵ月から12ヵ月まで行った。【結果】全例で順調な成長が認められ、VEP検査を施行した12例のうち潜時(16Hz)の遅れを認めたものは4例であったが、経時的に改善を認めた。またFagan試験を施行した14例のうち新奇選好率の明らかな遅れをVEP検査で異常を示した4例中3例で認めた。血液検査では、血漿レプチンおよびIGF-I値が日齢を経るに従い上昇する傾向を認め、またグレリン値は出生直後低値であるが2週目には有意に高値を示した。脂肪酸分析の結果では、VEP検査およびFagan試験で遅れを認めた症例では、DHAが低値を示す傾向が認められた。【結語】組織中DHA濃度の低下は、極低出生体重児の神経発達に影響を及ぼすと考えられた。SMの神経の髄鞘化などに対する有効性については、来年度以降血漿リン脂質分析や対照乳(通常のSM濃度の調整粉乳)との比較を行い検討する予定である。
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